プリキュアを読む

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【ハグプリ】第23話 最大のピンチ! が全然ピンチじゃない件


なんともめまぐるしい回であるが、"プリキュアの第23話"の割には、全体で見るとなぜか衝撃度は低く、タイトルほどのインパクトある内容ではないと言わざるを得ない。"プリキュアの第23話"としては肩透かしと言って良いほどに。はなが過去いじめにあってたぽいシーンもあったけれど、それでも衝撃度は低い、なぜなのだろうか考察した。

⚫︎団塊の世代への悪意

ダイガンの口癖「5分で終わらせる」が、自らの戦闘を、味方に「5分で終わらせられる」という能動態から受動態へ変化する様は、ストーリーに何ももたらすことはなく、単にオチに消費されておしまいという。壮絶な出オチというか、長期熟成前フリというか、とにかくこの扱いの酷さは、ハグプリ脚本における"思想"が滲み出ている感じがする。

⚫︎最大のピンチ感の無い最大のピンチ

そうはいえども、過去のプリキュアで、何度も衝撃の展開を見せた第23話で、タイトルが「最大のピンチ! プレジデント・クライあらわる」なのである。煽られても仕方ない。前週予告で既に明かされ、1週間待たされたことで、期待が高まるのは致し方ない。しかも、この手のタイトルは、年明けてからの最終決戦でやるもので、まだ折り返しでしかない23話でやるのは、後半どうするんだ?スゲェな、ということに、普通はなる。何度でも言うが、"プリキュアの第23話"で、かつ"このタイトル"なのである。これはプリキュアにおいて、ストーリー上、最終決戦と変わらぬ重みの回のはずである。これまでのハグプリの内容が非常に厚かったことも加わって、期待しかない。しかし、なんというか、衝撃度が弱い。いろんなものが入ってるけど、感動の薄い幕の内弁当みたいな。これを意識的に描いているのだとすれば、さすがハグプリということになる。本当に、ハグプリより前のプリキュアなら、個々に2話は使うような色々なことが、数分で次から次へと消費され、あっさり進んでいく回だった。何も心に残らない、というよりも、敢えて心に残す暇を与えない印象の演出。しかし、今後のストーリー上、明らかに重要なことをやってるという。

⚫︎坦々と重要なことをやった回

このため、一度見ただけでは、重要なことを見落としがちになると思われる。放送時に一度しか見ないであろう、本来のメインターゲット視聴者の皆さんが、この情報過多をどう把握されるのか興味がある。成人の鈍ってきた記憶方法とは違う記憶を、彼女彼らが使うのなら、この第23話の把握、理解も大人とは異なるのかもしれない。大人は、情報量に記憶の整理が追いつかないと、情報を無意識に捨てるからな。

⚫︎2つの顔を持つ男ジョージ

さて、第23話のタイトルにもなっている、プレジデント・クライが登場したこと。そしてその正体が、ジョージだと判明したこと。これに、はなは衝撃を受けていたけれど、いやいや、視聴者は、もっと驚いたよ。なぜなら、あの、クライアス社内で天井から「なんとかだっ、うおーっ」とリストルの操作により叫ぶのがプレジデント・クライと認識しているので、分厚い本を持ち歩く文学者崩れみたいなジョージと、知性と無縁そうな社内におけるプレジデント・クライとの同一性を認めることは困難である。うーん、確かに髪型一緒かな。ジョージ・クライの顔で「なんとかだ、うおーっ」って言って欲しいわ。
これまでのジョージの怪しい行動から、クライアス社の上層部に噛み込んでいる可能性は感じられたので、はなと異なり、その意味での衝撃は、全くない。ただ「うおーっ」と言ってる天井と、本持った浮世離れしたオッサンとのギャップに戸惑ってるだけなんだ。そのジョージにしても、なんか右手上げて、その周りにミライクリスタル飛ばして喜んでたけど、なんというか、小物感溢れていて、見てて、タイトルにある最大のピンチ感が全くなかった。最大のピンチ感の全くないプレジデント様のお遊戯。晴れ渡った空の下、楽しそうだったからね。

⚫︎トラウム爺さんの攻撃技に期待

そういうところが真の大物という考え方もあるけれど、一緒に出てきたドクター・トラウムも、まあ、名前からして精神攻撃仕掛けてくるのだろうけれど、既にさあやとほまれのトラウマは早い時期にやっているので、再度強いトラウマ持ってきても、二番煎じ感が避けられない。はなも、「私には何もない」「プリキュアできない」発言を乗り越えているし、どんなトラウマ持ってくるのだろうか…あ、そのための今回の過去描写か。あと、まだえみるとルールーは、このような自分に打ち勝つトラウマ的エピソードがないので、きっと来ると思われる。えみるは家族関係、ルールーは旧職場絡みが怪しい。ドクター・トラウムは、えみるとルールー専用の可能性もあるな。クライアス社の組織も大きく変わっているし、ルールーとドクター・トラウムの心理戦みたいなのもあるのかもしれない。

⚫︎プレジデント・クライあらわるとは何か

まあ、自分で何を言っているのかわからないが、「プレジデント・クライあらわる」であり、「プレジデント・クライあらわる!?」等でなかったので、プレジデント・クライは、現れたのであろうが、ジョージが本当のプレジデント・クライとは限らず、ドクター・トラウムやビシン等、この第23話に出ていたキャラが実際に現れたプレジデント・クライという可能性は非常に高い気がする。ハグプリは、タイムトラベル要素があるので、登場した何人かが歴代プレジデント・クライでしたとか普通にありそう。プリキュア的に考えられるのは、ジョージは、ルールーが、はなママにかけたみたいな催眠術?暗示?みたいなのを掛けられたとかいうオチじゃないかな。先週ほのめかしあったけど、リストルあたりが、天井のプレジデント・クライのみならず、ジョージも裏で操作してんでしょこれは。

⚫︎まま〜!

時が止まった際に、はぐたんが呼びかけた名前も、もはや確定演出なんだよね。第23話は、本当にいろんなことありすぎて、見ていて感度が鈍くなってしまう。"まま〜"ってなんなのそれ。頑として、はなだけ名前を呼ばないはぐたん、ちょっと怖い
これは、もう確定。はぐたん未来から来てるわけで、そのはぐたんが「まま〜」って呼ぶんだから、はぐたんの母親がはな…。あれ、待てよ、ハリーとはぐたんは、「ここよりずーっと未来の世界、ずーっと、ずーっと先の時代」(第12話ハリーの台詞)から来たんだった。なら合わんがな、年数。はなが超々長寿か、逆にはぐたんたちが近い未来から来てくれんと。まあ、それは目を瞑れば、はぐたんが、第1話で、はなのところに飛んできたのは、遺伝子レベルで血が引き合っていたからだろうね。で、父親は誰なん?
メガネ?ネズミ?

⚫︎とにかく坦々と進む

で、この部分も、第23話の衝撃ネタとしては申し分ないのだけれど、描き方がやはり坦々としているのか、のめり込めない。これまで、なんでもないタイトルの回で、衝撃を何度もブチ込んできたハグプリであるのに、一番キバるべき第23話で、アッサリとした描写をしてくる。もはやこれは確信犯。

⚫︎波乱の予感の次回予告

次回、第24話「元気スプラッシュ!魅惑のナイトプール!」は、このよくある深刻回の後のお楽しみ回的タイトル。通常であれば、第23話の後に来るにふさわしいタイトルなんだけど、これはハグプリ。絶対奴らはBパート後半で、何かをブッ込んでくるはずだ。
もう騙されない!そもそも、次回予告がかなりおかしい。良い気分になった年配男性2人がアロハ着て地面に座ってウクレレ弾いてるカットって、ストーリーにどう絡むのだろう。そこにプリキュアも敵幹部も映ってないってどういうシチュエーションなのだ。あ、これひょっとして、ウクレレ(≒ギター)持ってるから、ミライパッドで変身した、ルールー(左。アロハ紫だから)とえみる(右。靴紫だけど、ここは赤にして欲しかった)なのか?どんな職業だよ、これ、ミライパッドはん深いわぁ。まあ、ミスリードするためのカットなのだろうから、これに突っ込み入れてはダメなのだろうけれど。
加えて、タイトルに"魅惑のナイトプール"なんで言葉入れちゃってる。ナイトプールって何よ。メインターゲット層は知らなくて良い世界でしよ?しかも"魅惑の"ってあんた。メインターゲットの方々の心を引きつけ、惑わして良いのか?…あ、プール、海水浴用品の販促回ということか?なら良いや。
何れにしても、この回で起きたことの意味は、後から色々出てきそうなので、書き足していくことになるはず。

《おまけ》

はなが落ち込んで自室に引きこもっているシーンに出てくるベッドの右の柱のシール。何の意匠かは分からないけれど(大小のハート?)、ハグたんのベビー服とおむつカバーの色だよね。
エンドカードはパップルさん。苦難を糧に成長して、人間的怪しさに磨きがかかったパップルさん。こういう人いるよねぇ。