プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】怖い展開のメインターゲット層への配慮


ハグプリには、絵的に怖いシーンが少ない。逆に、さらっと描写しているが、実は怖いことやってるというのが多い。
しかし、過去のプリキュアをみると、絵的に怖いシーンも多い。Yes!プリキュア5のプリキュア全員無表情能面マスクとか、フレッシュプリキュア!の心優しくいつも微笑みを絶やさないブッキーが不敵な笑みを見せる(実際はブッキー本人ではないのだが)とか、スマイルプリキュア!なのに、全員無表情なのに会話続けてくとか。しかしハグプリでは、そのようなことはない。これはどういうことなのか。

ハグプリでは最大のピンチも軽い

そういうの、まあ、7月か、後半に多いのだけれど、ハグプリでは7月過ぎてもここまで怖いのはない。何といっても、第23話「最大のピンチ! プレジデント・クライあらわる」なんていう、タイミング的にもタイトル的にも危険な回で出てきたのが、プレジデント・クライの空中お遊戯だから。清々しい青空の下、楽しそうにプラスチックのカラーチャームで遊ぶプレジデント・クライは、ムッチャ楽しそう。右手なんか指揃えて、ピシッと挙げて、ホント気持ちいい。これは楽しそう!…じゃなかった、最大のピンチなのだった。最大のピンチ?なにそれ。

ハグプリでは同士討ちも軽い

1つ空けて第25話。ハリーが巨大モンスター化して、プリキュアを襲う。同士討ちというとてつもなく衝撃的なシーン。しかし、巨大モンスターハリーとプリキュアの対峙シーンの描写が、どう見てもネコバスに乗り込もうとするプリキュア御一行にしかみえない。ほのぼのしちゃってる。

でも、ちゃかしているわけではない

どうもハグプリは、なんというか、この一瞬で大勢が決まるかというシーンに、悲壮感とか、絶望感とか、そういうのを意図的に消しているのではないかと思えてしまう。普通なら、思いっきり重くなるように描くシーンが、ある意味坦々と進む。これがハグプリである。
一瞬、話の流れを断ち切って、過去のはながいじめにあっていたらしいシーンが入る。 ぼっち…これは、どんな時もキツい。このシーンは、流石に重く描いている。しかし、ハグたんの『ままー』で一転し、無かったも等しい扱いになってる。この過去イジメに遭ってたエピソードは、後に掘り返されるのだろうが、今は熟成待ちで、メインターゲットの方々が忘れそうな絶妙なタイミングで掘り返すのだろうね。
まあ、ぼっちは本当に辛いから、流石にそれ自体を軽く扱えないのは、スタッフも分かっている。だからちゃんと重く書いている。しかし、これは、人間界の怖さであって、敵の怖さではない。その前の2つは、ともに、敵の側でないと思っていた者が敵側だったという、非常に重い話を、考えられる以上の軽さに仕上げてきている。ハグプリは、人間界の怖さは茶化さないという一線を守っている。その上で、怖いシーンに軽い画を用いることで、メインターゲットの視聴による心理的負担を軽くしている。一方で、ストーリーの理解力が幼児より優れる大人は、怖いシーンを軽く描くことによる恐怖を感じることができる。

絵で怖さを演出しないことの良さ

しかしこういうの、神技である、さすが15周年の歴史である。ハグプリには、画で怖さを演出するということがない。これは本当に良いこと。メインターゲットの方々の心の負担は軽く、しかしちゃんと、大友にその重さが届く。win-winの進行が得られる。
こういうの、うまい。