プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】ギターを通じた心の成長


第22話、第23話は、初代のなぎさ、ほのかの登場に目を奪われがちだが、この裏でAIとしてのルールーの心が一段と成長していることも見逃してはならない。この止まらないルールーの成長について考察する。

モノへの愛着という概念の獲得

まず第21話。ここでみられるルールーはオシマイダーの攻撃からえみるが大切にしているギターを自らの体で守ろうとする。この行動は、「ルールーの大切な人であるえみるの大切なギターは、ルールーにとっても大切である」という三段論法からなっている。
本来、合理的思考を持つはずのルールーには、改造しているとはいえ、楽器店に行けば手に入る工業製品であるえみるのギターのために自らの体を投げ出す判断はないはずである。それを実行させたのは、"モノへの愛着"という考えをルールーが獲得していたからである。ルールーに心があるから愛用ギターへの愛着が理解できるのである。

大切さに優先順位があることの理解

しかし、ルールーのモノへの愛着の理解もまだ初歩的なものであり、第22話で、大切にしていたギターを失ったにも関わらずえみるが落ち込んでいるそぶりを見せないことが理解できないのである。えみるは、大切なギターを失ったのはえみるがルールーを守る過程によるもので、ギターを失って悲しむ姿を見せるとルールーを傷つけると考えたからなんでもなさそうに振舞っていただけであった。そこがルールーには理解できなかったのである。しかし、そこでルールーとえみるは本音トーク的なやり取りをすることができ、遂にルールーは、えみるがギターも大切だがルールーのほうがもっと大切であるという、大切なものの中に優先順位があることを学んだのである。

優先順位の理解で獲得したもの

これはAIであるルールーにとっては非常に大きな成長で、たとえば、この学習前であれば、えみる愛用のギターが破壊されそうな時に、一瞬遅れてえみるも危険にさらされた場合、最初に認識したギターを守り、その後、えみるを守るという行動をとる可能性があるが、学習後は、守る優先順位から、ギターよりまずえみるを救うことを選択できるようになったのである。

ルールーにとってギターとは

そもそもルールーにとってギターは、初めてえみるに会った時に初めて触れた"音楽"というものを奏でていた楽器である。ルールーが心を獲得していくごく初期の段階から鍵となるアイテムであるとともに、えみるとルールーを結びつけるという大切なアイテムでもある。
ギターに関係してルールーの心の成長が描かれるのは他に、えみるの兄がギターは女の子らしい楽器ではないので弾くのを止めるよう言った際、ルールーがえみるの兄に対して"えみるのために怒った"エピソードがある。ここでもギターはルールーの心の成長を描くとともにえみるたの絆を深める話となっている。

終わりに

第21話、第22話は、初代登場という華やかな点に目が奪われがちであるが、ここでメインのアイテムとして使われたギターを巡って丁寧に紡がれたルールーの心の成長エピソードでもあったのである。また、この2話は、初代の登場理由からしてえみるに対する教育エピソードでもあるので、奥が深いのである。