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【ハグプリ】第42話は期待高まる最後のアンリ回?【放映前予想】


タイミングからみて、アンリ最後のメイン回。これまでは万能感からくる自信に満ちた行動を取ってきたアンリだが、その自信の源となるフィギュアスケートが、脚の不調で思うようにできなくなるという試練をどのように乗り越えるか、第42話はこれに尽きる。

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【図1】第33話にして既にたそがれていたアンリ(※)

こういうの、 ハグプリは得意なものなのでオトナは安心して重い表現を見ていられる。そしていつものようにメインターゲット層にはライトに、大人にはヘビィに感じるうまい表現で攻めてくるはずである。

実はアンリ回ではないのかも

42という数字は日本ではあまり良い数といえないし、あくまでサブキャラでしかないアンリのメイン回が、えみるとルールーふたりの恐らく最後のメイン回の後に来ていることから、重要度の高い回と思われる。「エールの交換!これが私の応援だ!!」というタイトルにも気合が入っているが、これは内容的にはアンリにではなくはなについてのものである。こういうところが相変わらずのハグプリ調タイトルである。重要度が高いといっても、アンリが実は未来の世界の王子様でしたとか、プレジデント・クライの息子でしたとか本筋に絡んでくるのではなく、あくまでサブキャラであり、この回はアンリメイン回に見せかけたはな成長回であると予測する。キュアエールがヒーローであることを再認識させるための回といっても良い。そういうのを期待する。ということはつまり、アンリメイン回というわけではないということね、多分。

アンリの行動軸

いうまでもなく、アンリは自分の気持ちに素直に行動することを善しとしている。だから、他人に何かを強制することを嫌うし、それが自分の真の意思である限り他人がどのようなことを考えていようと否定することはしない。このため、えみるがヒーローに憧れたことにも肯定的であるし、ほまれがハリーに恋した兆候を感じとっても「いいんじゃない」とサラッと言える。この軸は、第42話でもぶれることはないと思われる。そして、それが故にアンリは悩むことになるだろう。

行動軸の背景

アンリはルックスもよく、フィギュアスケートの技術も高レベルであり、これまで自信に満ち溢れた人生を歩んできたと思われる。これがゆえに、自分は自分、他人は他人というスタンスを貫いてくることができたと思われる。自分に対する肯定感、これがアンリの行動の基盤となっている。

アンリの試練

そんなアンリであるが、第33話ラストで脚に不調がある描写があり、さらに第41話ラストでも同様のシーンがあった。大袈裟にいうと、おそらくアンリの人生初の試練である。

第33話で既に、アンリはえみるに対し、

僕って何者?

(略)

生きづらい時代だね。みんな他人のことを気にしてる。一人になれば何も気にしないで済むのかな

と言っている。この第33話から第42話までの間、アンリは人知れず苦悩していたのだろう。第41話で、ジャンプの踏切を変えたことをほまれに気づかれるほどに状態は悪いのだろう。

これをどう対応するのかがアンリの、そしてハグプリの精神的強さの見せ所である。第41話ラストでトゲパワワを放出するクライアス社の名刺を見るアンリの目には何が見えていたのかが、第42話で分かる。
試練に打ち克つプロセスの描写に期待
第41話でルールーとの別離に対するえみるの気持ちの整理をうまく表現したハグプリであるので、アンリの苦しみも万能感溢れる形でなく、挫折し、心折れそうになるも、なんとか自力だけでなく周りの応援も得てカタをつけるというような泥臭くも鮮やかなエンドが見たい。

はなの応援とは?

タイトルの話に戻る。「エールの交換!これが私の応援だ!!」というのは、明らかにはなの視点の発言である。そして、"エールを交換"し、"私の応援"をする相手はアンリだろう。前者はまずおいておいて、後者についてみてみる。はなの応援としてトピックとなるのは、まず第4話でプリキュアになれなかったほまれにかけた声だけの声援。これは応援された側のほまれに拒絶された。次に第11話「私がなりたいプリキュア!響け!メロディーソード!」において、自己否定気味のチャラリートを肯定し抱きしめて前を向かせた応援。これによりチャラリートは、チューバーの道に進み、その後、まえむきあしたエージェントに加わるという充実した人生を送る。これは成功した応援。

逃げ場の提示

恐らくアンリに対して行われる"私の応援"も、このスタイルの応援か、その発展系であると思われる。ただ、チャラリートの時と異なるのは、はなが自らに対するイジメのトラウマを全てではないにせよ克服した強さを持っている点である。また、チャラリートも最初は自信家であったが段々と自信喪失して行ったとはいえ、アンリは自他認めるスケートの能力を有しているので、自信喪失・自己否定のレベルは大きく異なる。それでも、ハグプリは、逃げることを肯定しているので、アンリについても、はなが何らかの逃げ場を用意してあげることが解決になるのではないかと推察する。通常、応援は、前を向けというポジティブな方法であるが、はぐたんも未来のクライアス社から、はな自身も前の学校のイジメから逃げて今の充実した生活を得ていることから、逃げても居場所はあるんだよという応援をするのではないか。アンリは個人競技のアスリートなので、自分との戦いであり、それに打ちのめされた時にどのような居場所が用意できるか。その場合、ほまれのコーチになるという線が濃厚であると思われる。しかも、恋人とではなくあくまで異性の友人としての線引きをした上で。この展開になってほしいが、そうなるとアンリは選手生命を絶たれていることになるので、それはそれで可哀想でもある。とにかく、第42話のアンリ回は待ち遠しい。

エールを交換

これは分からない。第42話がどのような結末となるにしろ、はなはアンリにエールを送る形になるのはイメージできる。しかし、アンリははなにどのようなエールを送るのだろうか。考えられるのは、チャラリートの時のパターンで、第11話ではチャラリートを慰め力づけているようにみえて、自らの言葉で自信をも鼓舞していた。このような感じで、はなが挫折したアンリに再度立ち上がる勇気を与えるとともに、何もないと言っていた自分にも何かがあると見つかるのではないだろうか。

何もない人などいないことの再発見

スケートを取ったら何もないとダークサイドに堕ちたアンリを救うとともに、これまで何度も言ってきた、"自分には何もない"という言葉を見直すきっかけを得る…この展開こそが、アンリ回に見せかけたキュアエール回となるので、それを期待したい。

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【セリフ】「HUGっと!プリキュア」(©ABC-A・東映アニメーション)より引用

【画像】※:東映アニメーション公式ページより引用

図1 http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/33/