プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】第45話「みんなでHUGっと!メリークリスマス☆」


 

今回はクリスマス回に見せかけた、第2回ママ回総仕上げとでもいう回であった。トラウムはルールーの生みの親としてルールーと和解。さあやママは、さあやの夢を応援することをさあやに伝える。ほまれママは、姿を見せはしなかったが、ほまれとハリーの会話で、クリスマスパーティに呼ぼうという話が出ていた。これは、恋に悩んでいたほまれが、立ち直り、以前よりイケてる娘となったことを、見せることができた(ほまれママはパーティ会場におけるルールーとトラウムのカレーエピソードで一瞬映るので、実際に会場に呼んでいることがわかる)。

しかし、肝心のというか主人公はなのママ回は、うまく回避されているのである。はなママは登場するが、はなのお母さんとしてではなく、ルールーのカレー作りのアドバイザーとしてである。これは、最終回にはなママがストーリーの重要な役割を演ずることの現実味がますます高まったことを意味する。

はなの本気顔は何故サンタに向けられたのか

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【図1】はなの本気顔!(※)

はなのこの本気顔は、理不尽なことを言う者に対し抗議するときの顔と似ているような。しかし、今回は、トナカイとサンタがともに体調不良でクリスマス中止の危機に、できることあればやらせてくれとお願いする顔。なぜ同じ顔してるのだろう。なぜかはぐたんもこの顔してるし。やる気を見せているのだろうが、要ははなの本気の顔ということであって、理不尽な者への抗議に限らず、真剣にお願いするときもこの顔になるのか。

ルールーのカレーの具における海苔の意味

第18話におけるママの復活カレーの5種類の具は、はなパパ、はなママ、はな、ことり、そしてルールーを表していた。そしてルールーのカレーでは、はなママからレシピを習ったのだから、おそらくそのままの具であっただろう。なぜかそれでは物足りないとルールーだけでなく、はなパパ、はなママ、ことりの3人も気づく。それが何故かは、ことりの指摘が的を射る。

ママの復活カレーは、ママが心の赴くままに作ったロックなカレー(略)ギュイーン、ギャギャーンって感じでやっちゃおーよ

今回のカレーは、トラウムのためのもの。そのためには、トラウムのための具が必要であり、それで海苔を追加したところ、ルールーらしいカレーができたということだろう。

ルールーのカレーの意味

ルールーがカレーを作ろうと思った意味から考える。ルールーは、それまではなの家に侵入しており、はなママのご飯を食べてきたはずである。それなのにママの復活カレーを一口食べただけで美味しいと思ったところがポイントである。ルールーは、はなの家族に受け入れられカレールーのように溶け込んでいると実感できたのが、ママの復活カレーであったということだ。ルールーにとってカレーは、受け入れを意味するのである。だからこそトラウムに自ら作ったカレーを食べさせる必要があり、しかも具に、新たに1品加える必要があったのだ。

そしてその具に海苔を選んだのもポイントである。海苔こそ、第13話「転校生はフレッシュ&ミステリアス!」で、歓迎会を開いてもらいながらも主役である自分が途中退場した時に部屋に持ち帰ったのが海苔である。つまり、海苔は受け入れてもらう気が全くなかった時の自分の象徴といえるものである。これを自作のカレーに入れるというのは、ルールーがトラウムを心から受け入れるということになるのだろう。まさかあの時の海苔がここに生きるとは想像できた者はいるのだろうか。海苔を持ち込み、カレーに入れるところを、歓迎会に出席していたホスト側の人間であるはなパパ、はなママ、ことりの目の前で、この海苔投入エピソードを見せたところもまた良い。だからこそ、この3人からアスパワワが出たのだろう。

ルールーの読書能力

本筋とは関係ないが、Aパート開始直後、ルールーは「クリスマス Howーto」なる本を読む際、明らかに後ろから前に向かってページを繰っている。このような読み方で理解できる人間はいるのであろうか。このような何気ない描写の中にも、ルールーが人でなくアンドロイドであることが描かれている。心を得て人のように振舞ってはいるが、人を超えた能力を自然に発揮してしまうのがルールーであると思い出させてくれる。

記念撮影時のはなの手がはぐたんにかかることの意味

ラストで皆で記念撮影するとき、はながシャッターのタイマーを押して戻って来る際、つまづき倒れこむのだが、その時にシャッターが切れてしまい、出来上がった写真には、はなの手で顔を隠されたはぐたんが…。顔を隠さずとも転んだシーンは描けたはずで、これは何かの暗示なのかと思う。顔が隠れるということは、普通はネガティヴなイメージである。しかし、現時点の情報からは、はぐたんを、「はなのところに居候?する赤ちゃん」と考えれば、はながクライアス社の目からキュアトゥモローを隠してあげているというというポジティブな解釈もありうる。第46話「クライ、ふたたび!永遠に咲く理想のはな」へのつなぎとしては、クライアス社というより、プレジデント・クライからはぐたんを隠すという意味のようだ。第46話予告で、はぐたんがまたも暗黒側に引き寄せられる描写があったことからそれは推測される。なおこの予告の次話タイトルははなの声で読み上げられるが、"はな"は、あえて漢字の"花"ではなく、"野乃はな"の"はな"としているにも関わらず、読み上げる発音は"花"であった。この辺り二重の意味を持たせていることが既に示されている。まあ、ハートキャッチにも掛けているだろうから、三重の意味となるか。"理想のはな"とタイトルにあるのだから、遂にはなラスト回ということか。まあ、はなは主人公なので、はなラスト回というより、ハグプリ最終回に向けた総仕上げに入ったということだろう。興味があるのが、はなママはどの程度関与するのかということ。第2回お母さん回シリーズにはなママは出てくることは出てきたが、ルールーの母親代わりとしての登場であり、はなのお母さんとしての登場はまだであるから。これははな個人回がずっとなかったからで、遂にはな回が来たので、はなママの動向が気になるのである。

ひらがな告知

次回予告にて、次回は年明けの放送となることを、次のようにひらがなで書いている。

らいしゅう12月30日はおやすみだよ!つぎのほうそうよていは1月6日だよ!

番組開始時の注意メッセージは、次のように感じ混じりである(ただしフリガナは付けてある)。

テレビを見るときは 部屋を明るくして 画面に近づきすぎないようにしてください

この配慮は良いなぁ。明るい部屋でというのは、親が読んで対応すれば良いことで、子供に伝わらなくとも、まあ、あまり問題にはならない。しかし放送休みについては、毎週日曜日が来るのを子供が楽しみにしているだろうから、これは漢字が読めなくともひらがなが読める子には確実に読んでおいて欲しい情報である。だから全部ひらがな書きにしたのだろう。こういった心配りは良い。

小野小町的な何か

ジェロスがオシマイダー化した際に言うセリフ。

どれだけ頑張っても、可愛がられるのは若いうちだけってこと

歳を取るたび、世界が色あせて行く

これはまあ、小野小町の歌に、

"花の色は うつりにけりな いたづらに
わが身世にふる ながめせしまに"

と歌われているように、よく言われることである。しかし、小野小町は、"わが身世にふる"と、自分の容姿等が他者から見て古くなるという、他者の目から見て自分はどう映るのかという自らを客観視する視点に基づくのに対し、ジェロスは、"世界が色あせて行く"と、自分の目から見た主観的視点に基づいている。これこそがハグプリの視点といえよう。同じようなことを言っていても、ジェロスは自分の価値観にとって自分の容色はどうなのだということを気にしており、客観的視点で自らの容色を表現する小野小町とは異なるということだ。これが自立した女と言って良いのか否かは微妙であるが、自分中心の価値観に基づき行動しているという点では、これはハグプリで度々主張される価値観に基づくものであり、敵側であっても、登場人物はこの価値観に従っているのである。

【セリフ】「HUGっと!プリキュア」(©ABC-A・東映アニメーション)より引用

【画像】※:東映アニメーション公式ページより引用

http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/45/