プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】第46話「クライ、ふたたび!永遠に咲く理想のはな」


最終話へ向かって加速が止まらないハグプリ。第46話は正真正銘のはな回だった。

そしてこのはな回は次回も継続する。はなが主人公なのではな回が他のハグプリ対比で特別扱いされるのは当然であるが、この第46話にて、さりげなくこれまでの伏線も確認されており、ハグプリの物語最大のクライマックスを迎えようとしていることが伝わる回であった。

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【図1】クライを前に立つハグプリの面々。さあやは女優、ルールーはアンドロイドだからか緊迫したシーンも立ち姿が美しい(※)

ほのめかされる種明かし

未来においてプレジデント・クライとはなが恋愛関係にあったことがほぼ確定した。いきなりのはなの花嫁姿にプレジデント・クライが絡み、クライが持つ写真には、はなと同じピンク色の髪をした大人の女性がクライの横に立っている。ピンク色の髪の女性の髪型が、現在のはなの髪型と似ているというか、どちらかというと前髪を切る前のはなの髪型に似ていることにも意味があるのだろう。となると、クライはそれほど遠くない未来から来ていることになる。

プライベートではなに会いに来たことの意味

また、エレベーターではなと二人きりになった際、ジョージはプライベートで来たと言っており、クライアス社の社長としてではなく、はなと個人的な付き合いのある人間としてはなと向き合っているとの言葉は重い。今の君は幸せかとはなに確認したのは、ジョージ個人として聞いていることになるのだから。"今の君は"とわざわざ言うところに、未来のはなが幸せではない、少なくともジョージにはそう見えるということだろう。

やはり出て来た阿万野ひなせ君

チラッとだがひなせ君が出て来た。これではなをめぐるジョージとひなせ君の三角関係が最終話への軸になった。ただしジョージとひなせ君が同一人物である可能性もある。ただ、今までの状況だと、ひなせ君ははなに気があるが、はなの方に全くその気がなさそうな点が引っかかる。最終回までに何か起きるのだろうが、これまでのひなせ君のヘタレぶりからみて、はなの将来の伴侶となることを決定づけることが起きるような気がしない。ひょっとしたら、ひなせ君とは縁がなかったとしても、ジョージと出会わない未来となることで、大円団ということなのかもしれない。ジョージにとってもそれが本望とかいうことになるような気がする。

民衆を導く自由の女神

アニメ中に出てくるドラクロワの「民衆を導く自由の女神」は、本物の作品に対し女神の持つ旗の色が異なる。本物は青白赤のフランス国旗だが、ハグプリでは、黄白緑である。その他に女神本人も含む登場人物の衣装の色も本物とは異なる。これはどのような意味を持つのだろうか。
旗の色で異なっているのは、両端の2色であり、中央の白は変わらない。黄色は今話中に出てくるクライが持つ花束の花の色、緑はクライの本のひし形の色であるので、これはクライアス社側のシンボルとなる。そして、中央の白はキュアクリスタル・ホワイトを持つキュアトゥモロー、つまりはぐたんを表す。このことから、「民衆を導く自由の女神」が持つ三色旗の色は、ジョージの世界の三色が選ばれているのである。更に緑は、ハグプリにに欠けている色である。こういうところをあえて変えてくるところが芸が細かいが、これほど有名な作品の色構成を変えてしまうのはちょっとやりすぎな気もする。

女神が象徴するもの

この女神が何を象徴するかというと、これははな自身であると理解するのがしっくりくる。今のはなというより、未来のはなであろうが。そこで引っかかるのが、この女神が手にしているものが銃剣であることである。はなは、第11話「私がなりたいプリキュア!響け!メロディーソード!」にて、必要なのは剣じゃないと武器を否定している。しかしこの絵の女神は銃剣を持っている。武器そのものを手にとって民衆を率いている。この絵は、沢山ある絵の内からはながたまたまかはともかく、クライに強制されることなく選んだと思われる絵である。そこに描かれている女神ははな自身と何らかのつながりはあるはずである。これが何を意味するのかがストーリー上のポイントであろうが、この女神は、民衆を率いているように見えるが、民衆を励まし鼓舞しているようにも見える。つまり、はなが頻繁に行っている応援行為と共通したものである可能性は高い。

タイトルは「ハートキャッチプリキュア!」風

ハグプリの主人公が野乃はなだからか、最終回近くの重要回のタイトルが、"花"が重要なアイテムであったハートキャッチの変身フレーズ風になっている。朝日放送テレビの公式ホームページによると、キュアブロッサムの変身時のコールは"大地に咲く一輪の花 キュアブロッサム!"であり、"花"は漢字であるが、今話では、漢字ではなくひらがなの"はな"である。このことからヒロイン野乃はながメインとなる回であることはタイトルから分かる。ストーリー中にクライが自分の持つ花束のクラスペディアの花言葉が"永遠の幸福"であると語るところも、花言葉を毎回紹介していたハートキャッチへのオマージュといえるだろう。

タイトルの意味

第46話のタイトル「クライ、ふたたび!永遠に咲く理想のはな」の意味を考えてみる。先に述べたように、ハートキャッチであれば、"花"と漢字を使うところを"はな"としていることから、これは主人公野乃はなを指すと思われる。そして、クライが登場してはなに似た女性の写真等が複数回出て来ていることから、これは、何らかの理由で永遠に咲くことができなくなった大人になった野乃はなを指すのだろう。このタイトルは、そんな彼女に対しクライの永遠に咲いていてくれという願望を表すと思われる。では、なぜ未来の野乃はなは永遠に咲くことができなくなったのだろうか、そして彼女は今、というか、クライの生きてきた世界でどのような状態になっているのだろうか。この辺りが次回明かされると思われる。

はぐたんの出生

子育てがテーマで、出産話を別な話で2回も描くハグプリなので、はぐたんの出生に触れないことには話は終わらないはずである。最終回までにはぐたんが誰の子なのか明らかになるのであろう…が、しかし、ここをうやむやというか描かないまま終えることもできなくはない。はぐたんはそもそも、未来からはなの生きる現代に逃げて来た際にキュアトゥモローがなぜか赤ちゃん化したものであり、最終回辺りでキュアトゥモローに戻って一活躍でもすれば、出生関連は問わないまま終わってもやり残し感は少ないかもしれないから。ただし、はぐたんは、頑なにはなだけを名前で呼ばずママと呼んでいることから、はなが少なくともはぐたんと親子関係もしくは先祖子孫の関係にあることは示されるのではないだろうか。その際、父親が誰かが非常に重要になる。

(※)東映アニメーション公式ページより引用
図1 http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/46/