アニメ成分補完計画

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】はなとクライとはぐたんの関係


ハグプリが最終決戦間近となってストーリーが緊迫するかと思いきや、ちょっと不思議な展開になって来た。

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【図1】クライと対峙し、幸せとは何かについて問いをつきつけられるはな。この作画は神々しい。もはや神の領域である(※)

はぐたんが第23話「最大のピンチ!プレジデント・クライあらわる!」に続き再度クライに捕らわれそうになる。いや、第23話では捕らわれそうになるが、キュアエールが覚醒し間一髪はぐたんを救った。しかし第46話「クライ、ふたたび!永遠に咲く理想のはな」では、はぐたんはクライに捕らわれてしまった。そして、そのまま第46話は終了した。この展開は、普通に考えれば悪のラスボスに捕らわれる正義側の赤ちゃんという緊迫のシーンなのであるが…。

夫婦喧嘩となれば緊迫度は低い

第46話では、そこに至るまでに、プレジデント・クライのメロドラマ風エピソードが描かれ、かつ、キュアエールこと野乃はなが、クライの伴侶であるように思われる描写まであった。そして、はぐたんが相変わらずキュアエールのことをママと呼ぶので、状況は3人家族における壮大な夫婦喧嘩の様相を呈してきた。

これについて見ていく。

はぐたんの両親と世界線

最大の謎は、はぐたんは誰の子かということである。第46話までの状況を比較的素直に読めば、クライと野乃はなは夫婦で、その子がはぐたんという理解が成り立つ。ただし、はぐたんは、はなの生きる現代では赤ちゃんであるが、元々、クライアス社から逃げ出すに際しては、詳細な年齢は不明であるが、キュアトゥモローとして活動できるだけの年齢に達していたことに注意が必要。つまり、はなの生きる現代と、キュアトゥモローがクライアス社と戦っている未来との間に、はぐたんが本来の赤ちゃんであった時期、恐らくクライとはながはぐたんを育てている時代があるはずである。

複数世界の可能性

一方で、ハリーの生きる世界はまた別にある。これは、ハリーが、クライアス社の連中がやって来てからハリーたちの世界がおかしくなった旨を言及していることからわかる。ただし、ハリーはヒトではなく、小動物が何らかの力により人間形となっているものであり、ハリー本人は遠い未来から来たと言っているが、世界線がはなたちと異なる可能性がなくもない。しかし、クライの世界とはなの世界は、現時点では世界線の破綻はないので連続していると思われる。

はぐたんは誰の子で何しにはなの元へ来たのか

先に書いたように、ハグプリでの謎解きで避けられないのは、はぐたんは誰の子なのかという点である。ここをごまかすと、かなり拍子抜けのラストになってしまう。これが仮面ライダーであれば、世界線の話が出て来て中々の展開になると思うが、これはプリキュアである。もう時間もないし余り複雑な話にはならないような気もする。そして、何をしに現代に来たのかというのも明かされるべき謎である。仮にはなが母親だとして、未来から単に母親だからという理由でいつでもよいから逃げて来ただけなのか、中二で転校したばかりのはなをわざわざ狙ってやって来たのかで話の厚みが変わってくる。ここは世界線を消す消さないとかの話になるかもしれないが、ぜひ描いて欲しい。

まどマギ的展開

はぐたんが、未来におけるはなとジョージの子であるとした場合、複数世界線の概念を入れると、次のような、ある意味"まどかマギカ"的なシナリオも考えられる。つまり、はぐたんことキュアトゥモローは、明日への希望のために、自ら、過去である中学生のはなのいる時代にやって来た。そしてその目的が自分のいる世界線をなくすことであると考えたらどうだろう。つまり、はぐたんは自分が赤ちゃんとしてはなの元にやって来て、はなの生きる世界線を変えさせ、ジョージと結ばれないように導く。そうすることで、ジョージは絶望の感情を抱くことがなくなり、時間を止めるということもしなくなる。その代わり、はぐたん、つまりキュアトゥモローは生まれてこないことになる。これが未来においてキュアトゥモローが、他のプリキュア仲間が倒れるのを見ながらも、覚悟を持って未来を繋げようとしたことであったのだと考えることができる。そして、キュアトゥモローは、来たるべきクライとの戦いまで母親であるはなに甘えようとしたのではないだろうか。こう考えると、はなや他のプリキュア達やハリーがはぐたんと触れ合い、その成長を喜んでいたが、はぐたんとしては、その時間、クライとはなが結ばれないことが確定するまでの限りある時間全てで精一杯、母親に甘えていたのではないだろうか。甘えるには赤ちゃん形態がベストなので、キュアトゥモローから年齢逆行をしたのだろう。この仮説が真実だった場合、ハグプリは、プリキュアでありながらまどマギの世界に近い物語になろう。しかし、メインターゲットの方々にこの話を理解することは無理だろう。

時間逆行について

キュアトゥモローが未来から来た際に、赤ちゃんになってしまったことについて、キュアトゥモローが自らの意思で赤ちゃんになったのであれば良いが、そうでないならば、時間を遡ることで、タイムトラベルにおける何らかの影響を受けたと思われる。この場合、なぜハリーは大人のままだったのかが問題になる。ハリーはそもそもジョージ・クライやキュアトゥモローとは異なる世界線のネズミなので、現在のはなの世界とつながるクライ達の世界とはそもそも切れており影響を受けないという考えが比較的しっくりくる説である。

はぐたんはジョージ・クライの子であることの証拠

はぐたん、つまりキュアトゥモローがクライの子であることは、第23話「最大のピンチ!プレジデント・クライあらわる!」において、クライにより時間を止められた際、はなでさえ止まってしまったにもかかわらず、はぐたんは静止していなかった。この時、時間が静止していないのは、はぐたんとクライのみであった。つまり、はぐたんがクライによる時間停止の影響を受けなかったのは、はぐたんがクライの遺伝子を受け継いでいるからであると説明できる。ゆえにはぐたんはクライの子であるといえる。

(※)東映アニメーション公式ページより引用
図1 http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/46/