「けものフレンズ2」で、最初から違和感を覚えることがある。それは、何故キュルルは「家族」ではなく「おうち」を探しているのかということだ。
- スケッチブックを書いた記憶
- おうちについて
- コールドスリープカプセルについて
- カプセルに入っていた理由
- 家族に一切言及しないこと
- 敢えてのミスリード
- 第9話は家族再会フラグ
- キュルルAIヒト型ロボット説
- キュルルイエネコ説
スケッチブックを書いた記憶
第1話で自分が眠っていたカプセルの中で発見したスケッチブックについて、
それ…ぼくのスケッチブック。これ、ぼくが描いた
と言っている。つまり、コールドスリープする前の記憶があるのだ。これが毛髪一本から生まれたかばんちゃんとの大きな違いで、同じ様に自分探しをしているようで、大きな違いなのである。かばんちゃんの旅が、自分が何者かを探す旅であるのに対し、キュルルの旅は、自分が元の自分に戻る旅なのである。
おうちについて
第1話でキュルルは、カラカルに
これがあんたの巣ってことね。住んでたんでしょ、ここに!
と言われ、
ううん、違う。僕が暮らしていた場所は、もっと明るくて優しくて、とってもあったかかった。帰りたい、おうちに…
と答えている。どこか他の場所に住んでいて、パークに来たことも覚えている。ただし何故パークに来たのかは分からない。誰と来たのかということも明かされない。"どこかにあるおうちから来た"ということと、スケッチブックしか手掛かりはない。
コールドスリープカプセルについて
キュルルが眠っていたのはカプセルの中で、何らかの理由でそのカプセルが開いたため覚醒したと思われる。最初のシーンはカプセルではなく建物に亀裂が入るシーンであったので、地震のような大きな外的な力が加わったためにカプセルが計画外に開いたと考えて良い。また、建物内には、キュルルが眠っていたものとは違うタイプではあるが他にもカプセル様のものが描かれていた。そのどれもハッチが開いて、中は空っぽのようであった。形が違うので、他のカプセルはコールドスリープ用ではない可能性もあるし、逆に…
カプセルに入っていた理由
これが謎のままである限り、キュルルについてわかることは少ない。いわゆるコールドスリープは、現代医学では治癒できない病に罹った者が、未来の医学の進歩に賭けて行われる、もしくは宇宙旅行の際に消費エネルギーや老化防止の観点から行われると考えるのが普通である。単に未来を見たいからというのは、人生としてリスキーなので、それは考えられない。キュルルは、病に罹っている可能性はあるが、少なくとも第1話以降、その気配はない。また、ジャパリパークは地球上にあるので、宇宙旅行というわけでもない。ただし、「けものフレンズ」の世界は、フレンズたちがヒトは絶滅したと言っている様に、人類にとって何らかの危機的状況にあると考えられ、そのための緊急避難的にキュルルはコールドスリープしていたとも考えられるが…
家族に一切言及しないこと
キュルルはおうちに帰りたいとは言うが、家族に会いたいとは一切言わない。それどころかキュルルは家族について全く何も話していない。単に「おうちに帰る」イコール「家族に再会する」ということならば良い。しかし、家族には何らかの理由で会えないことを知っていて、それでも思い出のおうちに帰りたいということかもしれない。一番悲しいのは家族の記憶が全く残っていないということだが、これは余程のショックを受けた等の状況にないと考えられない。この辺りは一切ヒントがないので分からないが…
敢えてのミスリード
脚本は敢えて家族の言及を避けて、家族探しをおうち探しにミスリードしているようなので、これは最終回に向け何らかの解が提示されると思われる。というか、家族の言及がないのはミスリードではなく、深刻な事情があるからだったら悲しすぎるというか、それは「けものフレンズ」じやない。
第9話は家族再会フラグ
第9話で、おうちで待つイエイヌを描いたのは、キュルルと逆の立場の者を出すことで、フラグを立てたとも考えられる。イエイヌが傷つきながらも誰もいないおうちに帰り、飼い主であったヒトが戻ってくるのを待つというのは、最終回に向け、キュルルは家族と再会するということを示唆していると捉えることが可能だ。ゆえに第9話のイエイヌは、おうちに戻らなくてはならなかった。あのままキュルルと共に旅に出ては、おうちが留守になってしまい、飼い主が戻っても出会えなくなってしまう。それはキュルルに置き換えると、おうちで待つ家族がキュルルを待たずに家を出ることになり、これはあってはならないことなのである。
キュルルAIヒト型ロボット説
これも考えたくないのだけれど、かばんちゃんが毛髪一本から生まれたように、キュルルも何らかの誕生の秘密があるのではないだろうか。カプセルがキュルルだけ異なっていたのは、キュルルだけコールドスリープする必要がなかったから、もしくは、通常のヒトに対するコールドスリープとは別の方法でコールドスリープする必要があったのではないだろうか。つまり、キュルルはAI搭載ヒト型ロボットであるとか。ただし、これは、第9話で嗅覚の鋭いイエイヌがキュルルを完全にヒトと認識していたことから、かなり可能性は低い。
キュルルイエネコ説
これが一番しっくりくるのだが、キュルルはヒトではなくイエネコであるというもの。それであれば、ネコの帰巣本能からおうちに帰りたいというのも納得できるし、キュルルだけコールドスリープ用カプセルの形状が違うことも理解できる。ネコとヒトでは眠る際の姿勢が違うから。人のように知恵があるように見えるのも、ヒトと共に生活していたため、ヒトの行動をある程度は知っていたと考えられる。しかし、イエイヌがキュルルはヒトだと認定したことについては、すくなくともイエイヌはその嗅覚でも判断していると思うが、これはちょっと無理筋ではあるが、イエネコもヒトと共に行動しているため、イエイヌがヒトとネコの臭いを混同してしまったということが考えられる。以上、キュルルがイエネコだとすると、最終話に風で帽子が飛ばされて、キュルルのネコ耳が露わになってエンディングというのはあり得ると思う。まあ、陳腐なエンディングな気もするが。