アニメ成分補完計画

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【キラメイジャー】安定の中にキラメく新規性ある新戦隊


2020年2月開始の魔進戦隊キラメイジャーは、スーパー戦隊シリーズの伝統を守りながらも新規性を打ち出すという、長寿シリーズならではの新シリーズとなっている。
その新規性について見ていく。

東映公式リリース

ピンクと緑が女性

キラメイジャーの男女構成は、赤青黄が男性、緑ピンクが女性となっている。緑が女性!
緑はスーパー戦隊シリーズでは、文字通りグリーンボーイ(新人)枠であり、それ故に他メンバーに可愛がられ、それ故に葛藤することが多い役回りであることが多かった。それを女性が担うのか?それとも別なキャラクター付けをしてくるのか。ドラマでありがちな、常識にとらわれない新人女性とかになるのか?そうなるとバランス的にはピンクが常識にとらわれる(?)大人の女性の役回りになるが、そうなるのだろうか。スーパー戦隊シリーズでは、黄色を除き色による性別が固定され、また、色によるキャラクターの傾向もあった。キラメイジャーでは、少なくとも色による性別は、解除されたため、性格の固定についてはどうなるかが期待される。

武器におけるペアリング

武器についてだが、黄とピンクが銃、青と緑が剣となっている。このペアリングにどのような意味があるとだろうか。黄が「射の戦士」、緑が「速の戦士」、青が「斬の戦士」、ピンクが「治の戦士」となっており、武器的には、剣は本来は青の武器、銃は本来は黄の武器と言える。その中で、黄がピンクに、青が緑に銃や剣の技術を教えるということなのだろうか。そもそも銃担当のピンクの特技は合気道らしいが。

序列もしくは色相環

ここで公式のメンバー紹介の順番を確認したい。
赤黄緑青ピンク。
当然赤は筆頭である。しかしその後がなかなかな序列である。武器のペアリング順ではないことは分かる。順不同ということもないだろう。そうなると設定年齢順か?いやいや、もう1つ考えられるのは、色相環の順である。、赤から右回りに、赤黄緑青紫ピンクで赤に戻るというのが大体の色相環の順である。キラメイジャーの公式によるメンバー紹介の順はまさにこれである。色相環順かぁ…凝っている。ちなみにプリキュアでは、色相環的色構成は2018年度の「HUGっと!プリキュア」で既に見られた。ただし、色相環の順番がそのまま年齢順の可能性もある。

青の意外性

メンバー紹介順で意外なのは、これまで年長というか大人のイメージの青が5人中4番目の序列に見えることである。また、武器のペアリングにおいて、共に剣を武器とする緑が「速の戦士」、青が「斬の戦士」となっているが、「斬」という語から明らかに青が剣のメインと思われそうだが、紹介順からは、緑が上である。この逆転現象は、銃を武器とする「射の戦士」の黄と「治の戦士」であるピンクにおいては起きていない。この辺りの混乱にどのような意味があるのかは、現時点では不明である。

赤の特殊性

黄とピンク、青と緑がペアリングとなる場合、余り物の赤はどうなるのか。赤は「創の戦士」で、キラキラしたイメージで戦うらしい。キラキラしたイメージ?なんだこれは。「スター☆トゥインクルプリキュア」のキャッチフレーズ"宇宙に描こう!ワタシだけのイマジネーション!"や、キュアスターこと星奈ひかるの口癖である「きらやばー」みたいなものか。公式では「攻撃を創造する“創”の戦士」と表現されているので、キラメイレッドは、武道における守破離の離の段階に至っており一人高みを目指しているという設定なのだろう。しかし、幼児向け番組に「攻撃を創造」という概念が出てくるとは。

不思議な力のキラメイストーン

これは謎アイテムである。キラメイストーンは、不思議な力を持つ宝石でキラメイジャーとつながっているらしい。保有者とつながっている宝石と言えば、有名なのが「魔法少女まどか☆ マギカ」のソウルジェムである。これは、宝石などという生易しいものではなく、肉体から魂を分離させたことにより生まれたもので魂そのものであった。つまり、ソウルジェム保有者である魔法少女が、ソウルジェムを万一無くした場合、その先にあるのは精神的な死である(強いネタバレになるので曖昧に表現)。深夜アニメであったまどか☆ マギカと異なり、男児がメインターゲットのニチアサ番組で、さらに仮面ライダーならともかくスーパー戦隊シリーズで、まさかこのような展開にはならないだろうが、まどか☆ マギカ的な展開のスーパー戦隊も見てみたい気はする。

キラメイストーン寄生虫説

公式の情報では、以下となっている。

赤、黄、緑、青、桃…不思議なパワーを秘めた“キラメイストーン”という美しい宝石は、それぞれ意志をもち、自身がタッグを組むにふさわしい戦士を選び出します。

これは、キラメイストーン自体は、各人の魂ではないことになる。しかしこれは、まどか的鬱展開とならないことを意味しない。キラメイストーン自身がタッグを組む相手を選ぶというのであるから、これはより恐ろしいことを表す。なぜならそこに相手の自由はないから。そう、キラメイストーンは、一方的に相手を選び近寄る寄生虫なのである。

謎の巨大マシン

まあ、魔進戦隊と言うのだから、移動はマシンというのは理解できる。これまでも動物型、恐竜型等あれど、マシンには違いなかったが。今回の移動手段は正真正銘のマシン、乗り物だ。

さらに!!キラメイストーンは戦士の個性と共鳴し、巨大な乗り物・魔進(マシン)に変形! 
『宝石×乗り物』という斬新なモチーフで、華麗に戦うヒーローたちの活躍を描きます。

キラメイレッドの相棒となる魔進は、巨大な<消防車>!巨大で戦うパワーも強力、さらにハシゴの救助も可能な万能魔進です。

なるほど。巨大な消防車であるということだから、現場に駆けつける際に狭い道があった場合、到達困難だろうが。巨大というからには、一般道はほぼダメだろう。

キラメイイエローとタッグを組むのは、ブレーカーで大地や壁を豪快に削る<ショベルカー>。強靭なアームを使って爆弾などを超高速で投げ飛ばします。

黄色の乗り物のイメージは、作業車だから、黄色が女性にならなかったのね。

キラメイグリーンの相棒は、とにかく速い<スーパーカー>!ターボを効かせると驚きのスピードを叩き出します。

まあ、「とにかく速い」という表現がポイントだろう。車は速いだけではなんともならないからね。砂漠でも走るのだろうか。暴走する女性か…なるほど、キャラがなんとなく分かる。

キラメイブルーの相棒は、けた外れの攻撃力を備えた<ジェット機>!主翼をカッターにして、敵を一網打尽にします。

やっとまともな乗り物が出てきたか…と一瞬思ったが、一網打尽?捕まえちゃうのか?捕まえたらその後どうするの?あと、主翼をカッターにしてということは、主翼で敵を斬ることを意味するのだろうけれど、作用反作用の法則は大丈夫なのだろうか。それを感じないほどの切れ味なのか?

そして、キラメイピンクとタッグを組むのは、自由自在に空を舞う<ヘリコプター>。プロペラであらゆる攻撃を跳ね返します。

うん、これもヘリコプターが大変なことになると思うよ。斬るのではなく跳ね返すのだから、もろに作用反作用の法則の問題になる。相手を跳ね返すのなら、よほどヘリコプターが重いか速く進んでいない限り自分も逆方向に跳ね返されるよ。ただし、治癒能力が優れた「治の戦士」の乗り物としては秀逸である。おそらくドクターヘリの役割なのだろう。

こうして個別に考えてみると、キラメイジャー全員の乗り物がなかなか個性があって良いな!

敵はヨドン軍

まあ、キラメキに対してよどみなのだろう。善悪のはっきりしたネーミングである。まあ、スーパー戦隊シリーズだからこんなもの。

ストーリー上のヒント

「FIVE KIRAKIRA, NOT ONE LESS 」「最強ヒーローチーム」という文句もある。これは、物語として、チームということが意識されるということだ。これまでのスーパー戦隊シリーズでも、チームについてのエピソードは多かったが、前面に押し出しているので、これがメインテーマとなる可能性がある。先に挙げた武器のペアリングについても、このチーム重視に関係してくると考えられる。また、ペアを組まない赤の特別扱いもチーム制度にどのように関わるのか注目される。さらに、追加戦士がどのように絡むのかも。赤のペアとして、赤が手を焼く戦士がくると面白そうだが。

スマートウォッチが変身アイテム

変身アイテムは、キラメイチェンジと呼ばれるスマートウォッチ型のものとなっている。変身アイテムは、メインターゲット層である男児のお父さん世代が身につけているものに類似したものが採用される傾向にあるという伝統を守っている。これは、スマートウォッチがもはやマニア向けのガジェットではなく、広く普及したことを意味している。

コメント

デザインは結構シンプルというか奇抜性がないが、色やストーリー上の設定等がなかなか面白そうである。

魔進戦隊キラメイジャーに期待!