ダークネストが元々はプリンセスの1人だったということを第46話で知ったプリキュアたち。これに単純に驚くだけではスタプリの本質はつかめない。プリンセスたちは、最初からダークネストの正体を知っていたはずだ。にも関わらずプリキュアたちにそれを告げず戦わせている。
【図1】蛇遣い座のプリンセス
【図2】ダークネスト
戦闘において情報は多い方が良い。にも関わらずスタープリンセスは何故情報を隠したのか。いくつか理由を考えてみる。
プリキュアを単なるコマと考えていた
ストーリー的に考えられるのは、プリンセスたちは、結局、貴族的な階級であり、プリキュアは、彼女らに仕えるコマと考えていた。よって戦術的なことは、プリキュアが考える必要はないと考えていた可能性はある。トゥインクルイマジネーションの発動をアドバイスしたりしていたが、観星中の中学2年生に過ぎないひかるたちに、そんなものの発動は必要なのだろうか。必要なのは、プリンセスたちであり、ひかるが自分だけ発動できず悩んでいたのは、プリンセスたちがいなければ起き得ない、無用な悩みなのである。
体面を気にして身内の恥を隠した
これも、最初の理由と似ているが、自分たちを特権的とは考えてはいないのであれば、体面を気にして、プリキュアたちに言えなかったということになる。これは、いずれ言わなければという後ろめたさがありながら隠すところがコマと考えていた場合と異なる。今回のスタプリのケースでは、こちらの可能性が高い。
本当に知らなかった
まあ、ちょっとこれは考えづらい。自分たちと同じスタープリンセスで、袂を分かち敵対した1人の存在は、当然知っており、自分たちに戦いを可能性も認識できるはずである。そもそもフワが器であることやプリンセスイマジネーションの発動についてもダークネストは知っており、ダークネストは、他のプリンセス同様に、プリキュアについての知識もあった。明らかにそれがわかるような戦いを挑んできているダークネストに対して、プリンセス側が、その正体がもう1人のプリンセスであることを見破れなかったのであれば、宇宙を司る者としてかなり能力的に不十分である。まあ、だから閉じ込められてしまっていたのだが。
プリンセスの思惑関係なく、ストーリー的にプリキュアに知らせたくなかった
まあ、これが妥当なのだろう。ダークネストの正体を早い段階で明かすより、最終段階で明かした方が、ストーリー上のインパクトは強い。プリンセスも脚本のコマとして動かされていたに過ぎないということ。
考察
いずれにせよ、プリキュアにとっては、敵の本質という戦いにおける極めて重要な情報を不足したまま戦ってきたことになる。この事実は、1年をかけた戦いの意味すらも問い直す必要のある衝撃的なものである。