プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【水曜どうでしょう2019】作り込み臭いほどの完成度


何故か労使交渉設定のシェフ大泉。これ、大泉氏の料理の味が美味しいことは最初から前提で、それだけでは面白くないので、代わりに設定のシュールさに面白さを出そうとした意図である気がする。

上げて上げて下げる

海南チキンライス、パエリア風鍋、ラーメン。どれも、ミスター、藤村D、嬉野Dに絶賛される。しかし散々持ち上げた後、藤村Dは、落としにかかる。
まず、藤村Dは、ミスターに「本当に美味しいかい?」から入る。次に「大泉なんだよ ガッカリするぐらいの美味しさだよ」と言う。更に藤村Dは、「もうちょっと何か入れろよ」と言って「何できのうのバナナとパイナップル入れねぇんだよ」とヒートアップ。これをすかさず大泉氏が捕まえて、「見えすいてますよ」と、テレビ的にそんな一見奇をてらったような手法は、逆に陳腐であると返す。絶妙な攻守切り替えが続く名シーンである。その後も上手く攻守せめぎ合う会話が続く。映像としては動きはないが、言葉上は、やり取りの凄さが伝わる。阿吽の呼吸とはこのことである。長年コンビを組んだ漫才師の域に達している。

最終評価

味が凡庸
一般的
味がつまらない
アイデアが少ない
…藤村D、同じ評価を言葉を変えてマシンガンのようにつなぐ。どれも料理に対する全く同じ評価を表している点が、流石である。頭良くて羨ましい。

作り込みを感じるほどの円熟

かなり面白く見ることができたのだが、やはり動きがないので、言葉のやり取りに比重が置かれてしまう。そのやり取りに凄みは感じるし、大泉氏と藤村Dとのやり取りも昔ながらのテイストは残しているが、しかし作り込まれた台本の臭いがしてしまう。

何故作り込みを疑ってしまうのか

まあ、恐らく作り込みではなく、ナチュラルに大泉氏と藤村Dの掛け合いは完成度の高いものなのだろうが、なぜ作り込みと疑ってしまうのか。これは、今回の設定にあるように思える。これまで、シェフ大泉は、明るいところでの撮影が多かった。太陽の下や明るい照明の下。特殊なものでもキャンピングカーの中等。いずれも明るかった。明るければ、大泉氏の動きや語り以外でも視覚的情報は多かった。しかし、今回の2019年新作第4、5夜では、屋外夜間の撮影であり、照明を点けているとはいえ暗く、また天候の関係で大泉氏が動くことのできる範囲も制限された状態であった。このため、これまで以上に、会話のやり取りそのものに注意が行ってしまうことになり、そのやり取りの出来に驚き、作り込みを疑ってしまうのである。

要は完成度が高い

結局のところ、水曜どうでしょう2019年の新作は、どうでしょうとしての完成度は高い。しかし、これが現在の日本でどの程度受け入れられるものなのかは分からない。昔のファンが喜んでいるだけなのかもしれない。なぜならやっていることはyoutubeと変わらず、若者にはそのあたりピンとこない可能性がある。本当はyoutuber的考察の先駆者として崇められるものであるとも言えるのに。

完成度の高さは古さにもつながる

しかし一方、完成度が高いという評価は、「水曜どうでしょう」では、致命的な評価とも言える。この番組は、ゆるく、かつ行き過ぎたことをやるのがありであるはずで、完成度の高さが見えるということは、意外性のなさを意味するからである。まあ、元々のどうでしょうも編集により面白くなっている面もあるので、作り込みについてはもろ刃の剣と言える。どうでしょうらしさを出そうとしたが故の作り込み臭さと言えよう。

若くないのに頑張っているということかも

何か見ていて、地位も名声も得た4人が、ハングリーだった頃の"どうでしょう"らしさを出そうと頑張り過ぎているようにも見える。これが作り込みのように見える状態である気がする。