まあ、マンガだからといえばそれで終わるのである。初心者がモノマネがうまいからと変幻自在な投球フォームで投げる投手となったり、剣道が上手いからと同じ棒を振る繋がりでバッティングの思い切りが良いとかそう言うのは、マンガとしての説得力はこれで十分と言える。しかし、次の1つはちょっとダメだ。
あり得ない変化球はちょっとね…
幼い頃に珠姫とおもちゃのボールで遊んだ時の変化球を硬球で身につけたという設定。複数の意味で無理がある。今時、魔球使いが主人公の野球マンガはどうなんだろうと。
1つ目は、実現性のなさ
まず、こんな驚きの球を硬球で実現することはあり得ない。少なくとも過去のプロ野球選手、メジャーリーガーで似た球を投げた者はいない。マンガ中でも誰の再来とか、誰の球なような過去の選手にたとえることもない。まあ、誇張しているというのであれば縦に大きく落ちるスライダーということで説明できるのかも知れないが。やはり現実的には無理な球だろう。とはいえ、野球マンガなのだから、そこは許容範囲である。
2つ目は、身につけた過程が考えられないこと
しかし、2つ目が良くない。中学時代に身につけたという設定。ここに1つ目以上に無理がある。取ることができる捕手がいないこの球をどうやって身につけたのか。例えば、壁に四角の枠なりバッターの絵を描くなりして練習することはできなくもない。ただし、この球は、打者に向かって行った後に落ちるという特徴がある。これはバッターを立たせキャッチャーも置いて練習しないと身につけることは現実的ではない。どうやって実用レベルになるまで習得したんだ?
ちょっとしたこと
魔球習得ほどではないが、設定でちょっと気になるのは、新越谷の身長設定である。エース武田詠深の身長は、チーム第2の大きさでありながら、160センチなのである。女子における17歳の平均身長は、158程度である。つまり、詠深は、マンガやアニメの中で高身長として描かれているが、ほぼ平均身長なのである。これで落差のある魔球というのは可能なのだろうかという疑問が出てくる。対戦相手にはもっと高身長の者がいるだろうから、あの球が通用するのかということは言える。まあ、現に打たれているしそんなものなのかもしれない。梁幽館の中田でさえ167センチの設定なので、「球詠」の世界の女子高生の平均身長は、現実世界より若干低いのかもしれない。
結論
マンガなので、面白くて、一応の説得力があれば、何でも良い!