アニメ成分補完計画

感想やまとめとは違う分析的なもの

【フルバ2nd】ep.19 「無いんだ、どこにもっ!」


このep.19は、花とゆめCOMICS14巻の中盤をカバー。依鈴が透の危うさを確信する回。ラスト近く本当に透が闇落ちしかかる。基本的に「フルーツバスケット」では、透は他者を救う側で有るのだが、透自身も度々闇に落ちるシーンがある。しかも救われた感じがないままエピソードが過ぎていき、いつの間にか平常運転のようになっているため見過ごしがちで有るが、透も救われなければならない人物なのである。

依鈴が透の中に見たもの

依鈴は透に対し「イヤだ このコは 近付きたくない」という感情を持つが、これは、透の中に母親、本心とは違うのに依鈴に対し優しく接していた実の母親を見ていながら、透には本当の優しさを見てしまう。逆に、透の中に実の母親を見たからこそ、実の母親に対して自分が迷惑をかけていたと考えている。つまり、最終的に自分に冷たい態度をとらざるをえなかった母親は、自分のせいでそうなったのだと考えている。そう考える故に、自分に優しくしてくれる人に対するスタンスが取れず、依鈴は悩む。これが、次のセリフに繋がる。

何を…してるんだろう
こんなんじゃいつまでも終わりは来ない

依鈴が見た透の中にある依鈴の母親の影

透の優しさは、いずれ透自身を押しつぶして壊してしまうことを、母親の自分に対する態度の結末から想像してしまい、が自分に関わることを避けていた。このような考えは、当然、潑春に対しても抱いている。それが依鈴の冷たさに見えた行動。

透が見た透の母親の影

お前の一番大切なモノって何?

この依鈴のセリフに対して即答できなかった透。以前なら母親と即答できたはずが、由希と夾の顔が浮かんでしまった。いつも一緒と考えていた母親が最初に浮かばなかったことに暗くなる透。そして、まさにこれが依鈴が恐れているもの。

ゼリー

透の作ってくれたゼリーを美味しいと言いながら食べる依鈴。依鈴はもう大丈夫かな。

セリフの再現力

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この手書きの小さい「なぐるよ?」までセリフ化していた。本気だ…

アニメの良さ

藤堂 公が由希を校内放送で甘〜く呼び出す際の表現は、マンガの圧倒的重荷感も良いし、アニメの躍動感も良かった。それぞれのメディアにあった方法が選択されている。

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