タイトルが思わせぶりである。しかし、今回登場の怪獣グルジオライデンが、戦闘中に命の叫びをしていたかというと、なかなか微妙な感じであり、ハルキの主観が多分に含まれたタイトルといえる。そもそも怪獣の感情や仕草等が、人間のそれと似ている保証はない。涙を流して空を仰ぎ咆哮したからといって、それが命の叫びなのかどうかは、少なくとも視聴者である我々は分からない。ひょっとしたら、ウルトラマンZの世界ではそれは常識なのかもしれないが。
第10話から何も学ばないハルキ
いや、いきなりのグルジオライデンとのバトルで、普通にセブンガーで戦ってるぞハルキ。前回のレッドキング親子の件で、怪獣にも守るべきものがあると知ったのではないのか?あれ?
オンオフを切り分ける男、ハルキ
ウルトラマンZに変身して、さあ、倒すぞというときになってトラウマはやってきた。結局、ハルキはトドメを刺すことができず、グルジオライデンに逃げられた。
戦うための良心の書き換え
ハルキ:本当に怪獣を倒すことが平和を守ることなんすか?あの2体のレッドキングだって卵を守ろうとしただけです。ライデンも誰かに改造されて…
ヨウコ:卵が孵化してエサを求めた子どもが街に出たら?
ハルキ:いや それは…
ヨウコ:今 この世界に怪獣の居場所はない。かわいそうだけど。だからこそ誰かに押しつけちゃいけない。ちゃんと背負いたいんだ。命を奪う責任を
うーん、言いたいことはわかる。自分の安全は自分で守る…の延長線上で考えているのだろう。自らを守れない者は滅ぼされてもやむなしと。しかし、このセリフをヨウコ隊員が発したことに意味がある。ウルトラマンZをZ様と呼ぶヨウコ隊員。彼女は、ウルトラマンZによって助けられながら怪獣を倒していることに、若干のやましさを感じている。だから、グルジオライデンも、自分たちで仕留めることに拘っている。
無抵抗の怪獣に攻撃するストレイジ
2度目の襲来の際、明らかにストレイジは、先制攻撃を仕掛けている。グルジオライデンは現れただけである。ストレイジには、共存という概念は存在しない。怪獣は、現れたら倒すことがストレイジの正義なのだ。そして、ウルトラマンZも基本的にそれに疑問を感じていない。ただ、ハルキだけが気づいてしまっているというのが今の状況。
ちょっとまずいハルキの精神状態
ヨウコ隊員に喝を入れられてから、ちょっとハルキの話し方が、大声で叫ぶ形になった気がする…いつもだっけ?しかし無理にストレイジに合わせようとしているように見える。
泣く怪獣
【図1】泣くグルジオライデン
怪獣の涙を見たらハルキはやっぱりダメね。戦いに負ける。だってグルジオライデンは、涙だけでなく、よだれまで流して泣いている本気泣きなのだ…と言いたいところだが、怪獣が魂の叫びをする際に目から涙を流すことは事実としてあるのか?という点の科学的根拠をハルキは持っているのかな。
歴戦の戦士ヨウコ先輩
いやあ、歴戦の戦士だわ。キングジョーが分離する特徴を使って攻撃を避け、更にゼロ距離攻撃。この人の戦闘本能凄そう。まあ、だからストレイジのエースなのだろうけれど。