アニメ成分補完計画

感想やまとめとは違う分析的なもの

【俺ガイル完】第12話 典型的普通の青春ラブコメだった【最終回】


告白後の八幡と雪乃と結衣の関係の全然描写が足りない気がする。何で3人がこのような行動になるのか理解できない。

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【図1】もはやこれは対立の構図

同じクラスなのに結衣は?

新学期になるまでは、八幡と結衣は同じクラスなので、部室で初めて生存確認したみたいな感じになっているの変。

小町対いろは

こいつらバケモノ。マウンティング取り合いのレベルが異常に高いし、直ぐ共同戦線張れる頭の回転の良さ。八幡と互角に生きているとそうなるのか、逆にそういう人間しか八幡とやっていけないのか。

ほん…もの?

真剣なというか、二人の世界しかないかのような恋愛が本物ということか。違う気がするが。高校生の本物がこれなのかぁ。これは、遺伝子を後世に残すための生物の本能としてのヒトの本物であって、八幡と雪乃、結衣の3人の関係における本物ではないのではないか。雪乃とずっと過ごしたいと言っていた結衣の願いは完全に無視されている。これが本物か?結局、ありふれた男女の関係を本物と呼んでいる印象。陽乃視点では、雪乃が人間らしく生きているという観点からこれを本物と呼んでも良いかも知れないが、少なくとも3人で悩んで語り合って進もうとした八幡、雪乃、結衣においては、これは本物と呼んではいけないのではないだろうか。

結衣をのけ者にする2人

結局、八幡と雪乃は、結衣をのけ者にしてしまう。結衣が元々存在しなかったかのように2人だけの世界を構築している。新学期の部室で、いろはと小町がお膳立てした上でなければ、結衣を入れることができない、いや、入れない意思を感じる。

結衣の強さ

私の好きな人にね
彼女みたいな感じの人がいるんだけど
それが私の一番大事な友達で
でも これからもずっと仲よくしたいの
どうしたらいいかな?

これを、新生奉仕部の依頼にして良いのだろうか。この依頼は、結衣のずっと言ってきた願いであり、旧奉仕部の優勝レースで勝った結衣の望むものなのだから、最優先で叶えられるはずのもの。それが、新たに依頼という形で提示された、提示されなければ実行されなかったという事実。どう考えても、この新学期を迎えるまで、結衣は、八幡と雪乃から避けられていたとしか考えられない。

これを触れた時、八幡はギクっとするだけであるし、雪乃は、

お話を伺いましょうか どうぞかけて長くなりそうだから

と言っている。どうしてとぼけられるのだろう。これは、ずっと以前、八幡と雪乃が付き合う前から結衣が言ってきたこと。それを結衣のお膳立てがなければ、実現に向けた行動が取れなかったのか。結衣は、それでも空気読んで自体を回すことはできるので、

うん 長くなるかも
今日だけじゃ終わんなくて明日もあさってもずっと続くと思うから

と雪乃の言葉を受ける。これに対し、雪乃は、

そうね ずっと続くわ

と返すだけだし、八幡は、

やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。

と独り言を言って終演となる。これ、本能的なことを本物とするなら、そしてどうもこの物語の上では、そうなっているようだが、結衣の気持ちを全く理解していないし、考えてもいない。

「続」第2話の京都修学旅行での戸部告白後の結衣のセリフ、

人の気持ち もっと考えてよ!なんで いろんなことが分かるのに それが分からないの?ああいうの やだ

恐らく八幡と雪乃が付き合うことになって、もう一度言いたかったのではないか。しかも、戸部の時は、八幡の身を切る機転で、葉山のグループは元のまま壊れずに済んだ。しかし、今回は、八幡(と雪乃)の行動により、3人の関係は変わってしまっていた。それにつき、結衣は、自らを使うことで元に戻そうとし、それに乗っかる形ではあるが、雪乃が戻ろうとしてきた。しかし、八幡はどうだ。「やはり俺の青春ラブコメはまちがっている。」と自分の中の価値観に落とし込むのみで、真摯な姿勢を見せないまま終わった。これ、本当に後味の悪い終わり方になっている。

何もまちがっていない典型的青春ラブコメ

これがホンモノなのか…。これ、最終話で、普通の人間の普通の物語になってしまった。というより、最終的に親しみやすいキャラとはくっつかず、黒髪ロングで気難しいキャラとくっつくという、ハーレムものの典型パターン。全然まちがった青春ラブコメなんかじゃない。

まちがっているとしたら…

八幡と雪乃の友情に関する考えかな。結衣と違ってこの2人の考え方はまちがっている。というか、友情に関しては本物を求めていなかったということか。もしくは、恋愛は友情に優先するのが本物という理解か。

友達関係をちゃんと学ぶ前に恋人関係に向かうリスク

八幡、雪乃、結衣の3人の中で、奉仕部の活動前にちゃんと友達関係というものの経験値を有していたのは結衣だけである。八幡と雪乃は、結衣の仲立ちで友達関係を学び始めたところだった。そして、まだ3人以外の友達関係を知らないまま、八幡と雪乃は付き合い始めてしまった。これ、普通に考えて危うい。何というか、小学校で友達関係を学んで、その上で思春期に男女の付き合いを始めてもなかなかうまくいかないのに、八幡と雪乃は、友達関係というものをようやく知った直後に恋人関係に入っており、危うさしかない。ここに入る結衣は、ホント辛い役割になると思う。

恋愛形態の雪乃は、戸塚寄せ

恋愛モードに入った雪乃の顔つきなのだが、これ、明らかに戸塚に寄せてきているのではないだろうか。結衣でも、いろはでも、小町でもなく戸塚。なんということでしょう。強気で自信満々な発言の多かった雪乃さんが、恋をしたら男子テニス部主将に顔が似てくるなんて…俺ガイル界の闇を感じる。

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