奉仕部であるが、その最初の依頼者は陽乃ではないかという説を以下に述べていきたい。
その前に、陽乃は、この物語中で見方によっては結構な嫌われ役を演じているので、その前に可愛らしい雪乃の画像を貼っておきますね。こころ穏やかにしてから読み進めてください。
【図1】かわいい雪乃
奉仕部成り立ち
雪乃のために新たに作られた部活で、八幡はそこに強制入部させられる。そして、広く部員募集をかけられているわけでもない。他の学校によくあるが総武高にはこれまでなかった部活というわけでもない。このスタート地点からして奉仕部はおかしい。これは何かの目的を持って誰かが作った人工物である。隣人部の方がまだ自然な感じがするくらい人工的な匂いがする。
誰が何の意図で作られた部なのか
奉仕部設立に際し、平塚先生が絡んでいるのは間違いない。八幡を無理やり引き込んだのは平塚先生であるし。では、なぜ雪乃がいるのか
八幡のための部というのであれば、雪乃は八幡のために利用するために用意された部長ということになる。しかし八幡のことを気に入っており、彼の高校生活を充実させようという気持ちは感じられるが、八幡のために部活を作り校内一、二の才媛を用意するまでの理由とそのための根回しまでするのは、さすがの平塚先生にも無理だろう。
そこで浮上するのが、雪乃のために陽乃が平塚先生に依頼した説である。昔の出来事がトラウマとなり人間関係をうまく結べなくなっている雪乃に対して、何とかしてくれと頼んだという考えである。
陽乃依頼説の概要
陽乃が雪乃のことを心配し、恩師である平塚先生に相談する(これが実質的な奉仕部の最初の依頼)。平塚先生と陽乃は、強制的に人とのコミュニケーションを取り、かつ自分が主体的に動かなければ物事が動かない奉仕部のアイディアを出す。ここで陽乃としては、そもそも雪乃のコミュニケーション能力強化が目的なので1人で始めても問題ないと考えていた可能性は高い。しかし、平塚先生としては、似たような状況の八幡も一緒に強化しようとしたために、追加で八幡を部員にする。このような経緯があるので、陽乃は、八幡を値踏みしたり試すような言動をしてきたのだろう。
陽乃依頼説の根拠
陽乃依頼説を採ると、次の点が合理的に説明できる。
陽乃側
・恩師である平塚先生との仲の良さを利用して、裏からコントロールできる可能性がある。
・部活設立にPTAの支援を期待できる
平塚先生側
・同様の悩みを抱える八幡の指導にも利用できる
・運動部の部活顧問より楽そうだから引き受けるメリットがある
・大好きな八幡と話す機会が増える