宇宙人のプリキュア、ゲイ的な年長者キャラ、男のプリキュア、犬のプリキュアと、かなり広範に多様性を模索してきた印象の近年のプリキュアだが、 『キミとアイドルプリキュア♪』ではそのようなチャレンジはあるのだろうか。
ディズニーがポリコレ路線に舵を切って収入を減らしていると言われるし、トランプ大統領のLGBTに対する考えから、世の中の雰囲気は変わっていきそうな感じはある。プリキュアでは宇宙人、犬という非現実的な多様性を見せているからなんとも言えないが、今の所のキミプリは、ポリコレ要素を入れる前のオーソドックスなプリキュアに見える。普段の生活は、日本の普通の中学生に起きそうなこと、普通の中学生が出会いそうな人たち、そういう環境下で敵が現れ、プリキュアに変身し戦うところだけが普通の中学生が出会わない出来事という形でまとまっているように見える。これぞまさに従来のプリキュア。
多様性要素を織り込むこと自体が問題というわけではないが、プリキュアにその要素を入れることが必須かというとそんなことはないと考える。
前回のわんぷりはタイトルが全て平仮名になるほどメインターゲットの方々の年齢層が従来よりさらに一段下がったことを象徴していたが、そんなメインターゲットの方々に多様性を教えることがプリキュアの使命とは言えまい。
キミプリはこれまでのところ、ポリコレがハッキリ見て取れるようになる以前の昔のプリキュアに戻った印象。しかし、新キャラ等で多様性について新しい問題提起がなされるかもしれないという可能性は残る。
どちらになるにしても、最終話までにキミプリで一年かけて描きたかったことはなんだったのかをメインテーマ、サブテーマも含めて振り返るのは面白いと思う。