新しいウルトラマンが始まった。色々気づいたことがあるが、その中でも、ビル等の破壊に対する罪悪感の小ささは、この特撮の特徴となるだろう。
なぜに笑顔?
【図1】自分のせいでビルを大破させたことに対する主人公ナツカワ ハルキの表情は笑顔
ビルを半壊させたにも関わらずこの笑顔である。ちゃんと適切な行動をとり適切な場所にいれば起こり得なかった事態であるにも関わらず笑顔なのである。
【図2】ハルキを救うため止むを得ずビル破壊を犠牲にゴメスを倒すセブンガー
この破壊による経済的損失は非常に大きいものであり、地球防衛軍日本支部の一員の行動としては、余りに軽率かつ厳重に罰すべきもののはずである。しかし、怒られても変顔していて罪悪感なし。
【図3】罪悪感のないハルキ
なぜ平気なのか
理由は未だ不明であるが、怪獣出現による破壊行為は日常茶飯事であるということが考えられる。そもそもセブンガーなるロボットが運用されていること自体、怪獣出現が珍しくないことがわかる。
Zも破壊者
今回の第1話で一番気になったのは、ウルトラマンZ自体も破壊行為に対して無頓着な点である。まあ、ウルトラマンZもうちの半分は無責任隊員ハルキなのだからそれも仕方ないかもしれないが。
【図4】不要な破壊をするウルトラマンZ
このシーン。空中でゲネガーグを倒し勝利したウルトラマンZが、わざわざ地上に着地し、おそらく舗装された地面を破壊しその破片を舞い散らせているシーン。ウルトラマンZよ、着地の必要なかっただろ!ただ単に見栄を切るために着地しただけだろ!それで施設を破壊するな!復旧に多大な時間がかかるだろ。
実際の被害
最初のシーンのゴメスとの戦いでも、ゲネガーグの地上への落下からのウルトラマンZおよびセブンガー共同の戦闘においても、多くの建造物が破壊されている。しかも戦闘は広範囲であり、日中にビルが破壊されていることも考えるとかなり人的被害もあると考えられる。また、建造物も、横から怪獣等が倒れかかるという耐震構造上、想定できない負荷がかかっていると考えられるので、基礎から立て直しが必要になる等、相当な損害が生じていると考えられる。
セブンガーの位置付け
ゴメスとの身長差。これから、セブンガーが対応すべき怪獣のサイズが大小様々であることが想像できる。
【図5】大きなセブンガーさん(左)
つまり、セブンガーは、今回のゴメスクラスのサイズから比較的大きな怪獣相手まで対応できるサイズで作製されている対怪獣汎用ロボットということである。人類側の兵器が初登場の怪獣より1回り以上に大きいことは、今後のストーリー展開に期待を持たせるものである。
しかし、上の写真、昔のマンガでよくあった、不良がマジメ君を路地に連れ込んで金を脅し取ろうとしている構図と同じ。一方の正義は他方の悪という皮肉を地でいくのがウルトラマン。
なぜか「N」と描くウルトラマンZ
ZなのにNとはこれいかに!
【図6】大空に飛行機雲的な方法で【N】と描くお茶目なウルトラマンZ
まあ、からかってみただかなんですけど、怪獣を倒すためとは言え、多大な被害を及ぼしているのは事実で、こんなサインを残すみたいなことは自己の能力誇示にしか見えず、好ましい行為ではない。そんなことせずに素直にまっすぐ帰れよ!としか言えない。
まとめ
「ウルトラマンZ」の世界線においては、怪獣襲来による施設破壊は常態化し、かつそれに対応するセブンガー出動に伴う破壊も当然視されている。このため、怪獣を倒すために多くの犠牲が、人的にも物的にも生じていても、あまり気に留められない状況となっている。これは、今の我々の価値観からすると、少し怖い世界である。