アニメ成分補完計画

感想やまとめとは違う分析的なもの

【スタプリ】第13話「ララのドキドキ初登校☆」


学校へ行く羽衣ララさん。AI家庭教師が当たり前の世界からみた学園生活は…という回。

この2人の前向きな笑顔は守るべきもの。

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【図1】見知らぬ星で1人なのに明るいララと何でも前向きなひかるは名コンビ

http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/13/

AIに頼らない気持ちと頼る気持ち

初登校の日、ララはAI機能を持つ手袋をロケットに置いていく。学校は学ぶところだからという考えだから。これは前向きで正しい。

しかし、ララは自分の星では既に大人であるにも関わらず、観星中で誰もができることができず落ち込む。地球の学校ではちゃんとしたいという気持ちが、ララを追い込む。そして翌日はAI手袋をはめて学校に行く。ここが素晴らしくて、初日で心折れそうになったにも関わらず、学校に行こうという気持ちは保っていたこと。しかしそれには他者(ここではAI手袋)の助けが必要だったということ。これは示唆的である。ララの強さと弱さが同時に表れている。ララは、昨日も今日も学校にひかるがいてくれることを知っている。昨日はたまたまひかるがゴミ捨てに行っている間に雑巾掛けの知識がないことで失敗した。ここでララは、ひかると言えども自分とは違う。ましてや地球の人間である。ララ自身の地球での作法等の知識のなさは、自分自身で解決すべきことだと理解したのであろう。それでサマーンにいた時から自分の知恵袋的なツールであるAIに頼ったのであろう。この辺りを描くということは、今後、ララがAIとは自分にとって何かを深く考えて行くことになるのだろう。初日にAI手袋を自室に残して登校した気持ちと、2日目にはめて登校した気持ちとの間のララの心の変化が描かれたことは大きい。

学校愛

とても面白い、もっと知りたい、日直をやったことがないからやりたい…とララは言う。これは、まさに学ぶ喜びである。敵であるカッパードがプリミティブな建物と呼ぶ通り、ララにとっても学校は原始的施設なのだろうが、そこに見出したのが学ぶ喜びであることが素晴らしい。確かにAIを教師に成長するという環境では、学ぶということの感覚が違う。だから「わざわざ同じ場所に来て、みんながそろって勉強するというのが不思議ルン」というセリフも出てくる。

コーチングの才能のあるひかる

ララ「わたしの星では分からないことは全部AIが教えてくれるルン」
ひかる「うん、そうだったね」
ララ「わざわざ同じ場所に来て、みんながそろって勉強するというのが不思議ルン」
ひかる「不思議か〜」

このひかるの聞き出す力よ。次の日も、AIに頼って学校生活を退化なく探そうとするララに対するひかるの聞き出す力が見られる。

ひかる「ねぇ、ララ、今日学校楽しかった?」
ララ「う…うん。AIのおかげで失敗しなくてホッとしている」
ひかる「別に失敗したっていいじゃん」
ララ「ルン?そうはいかないルン いえいかないわ!わたしが変なことばかりしてたら、ひかるやえれなやまどかまで変な目で見られるルン。いえ、見られてしまう」

これを踏まえ、ひかるは直ちに行動に出る。えれなとまどかに連絡を取り休日の学校でララと会うことを画策する。ララが気負わないように。ララが既にクラスのララであることを理解するために。このやりとり、ひかるのコーチング力が光る。歴代ピンクプリキュアの中でも上位に来る思慮深くかつ注意深く相手を理解し導くプリキュアではないだろうか。地球の学校に馴染もうと頑張りすぎて自分を見失うララを、気負うなと諭す方法は優しさに溢れている。これからこの点に注意して見て行くことにする。ただ、自分のための行動はかなり突発的な気がするが、そのアンバランスさがキャラクターとして良い。

ルンちゃん

ララに対するクラスメイトのいきなりのあだ名呼び。これはもうクラスの一員として認められたということか。ララ本人も「ひかる…ララじゃなくてルンちゃんになってるルン」と言っているが、その瞳はウルウルしており、クラスメイトに溶け込んだということを理解している。これは感動する描写である。良かった。ただ、観星中の太陽と月の取り巻き連中からの視線はしばらくは我慢しないといけないのだろう。いつの間にかひかるは一定の地位を得て、取り巻き連中から認められたようだけれど。

軽部タツノリ

クラスのみんなから「カルノリ」と呼ばれる彼。信条が「フットワークは軽く!人生はノリだ!」の軽部くんが、ひかるもしくはララの大切な人になるのか否かという興味を持って観ることができる。ハグプリの阿万野ひなせ君のような悲劇はもう見たくない。

カルノリくんの歪んだイマジネーションが、カッパードのウエポンを変化させたのだが、それがサーフボード形態とはなかなか笑える。カッパードのセリフ「おぉ、ノレる!ノリノリだ!」というのがね、軽ノリくんだけに。

タイトル

ちゃんと「☆」ついています。