アニメ成分補完計画

感想やまとめとは違う分析的なもの

【スタプリ】第14話 えれな家族回


第14話「笑顔deパーティ!家族のソンリッサ☆」は、えれなパパ回か…と思ったが家族回でした。

普通とは何か…

パパはメキシコ人だった…これまで、パパの国籍は何だろうというのもあれなの秘密の1つであったのに、結構あっさり詳細まで明かすのね…とそんなことはどうでもよくて、弟のとうまくんが深刻な悩みを抱えていた。「うちは普通じゃない」という悩み。これは重いテーマを扱うなぁ。ひかるが何も考えてなさそうなノリではしゃぐが、ハグプリの時の様に攻めてくる予感。スタプリは、ハグプリ対比、今一つ大人に刺さる何かが少なく、メインターゲットの方々に重きを置いているように考えていたが、どうも違うみたいだ。どこまで攻めるか見届けたい。

幸せそうなえれなの家族にも悩みがあったこと

これまで、えれなの家族の明るさ、ポジティブさ全開で悩みなどなさそうであったところに、とうまくんの悩み、それも家族に対する悩みが描かれたことで、幸せそうな家族、人にも、人には知られない悩みはあるということ、人はそれほど単純ではないことを描いたことは評価されるべきである。特に、これまで兄弟姉妹しか描いていなかったところに、両親登場と合わせて家族問題を提示した巧妙さも良かった。とうまくんの悩みは子供対大人の側面もあるから。そして、大人と子供の間である思春期のえれなが、両者をとりもつ。綺麗な展開であった。

ララの強さ

とうまに自分語りをするララは、飾り気はないし、本人に自覚がないかも知れないが、とうまの心に刺さる話をしていた。自分は自分、他人と比べることはないと自分の言葉で言えていた。これを自然体でできたのは、単純なことの様で難しいことである。この自然さがララの強みである。ストーリー構成としては、自分の家庭が普通ではないと感じたとうまに対し、宇宙人という、地球人でさえない、普通の家庭云々以前のララを持って来たところに上手さを感じる。しかも、人種や民族の話を直接には出さず、あくまで家庭のノリというか勢いというか、そういったものが普通の家庭と違うと悩んでいるとした点が上手い。その方がメインターゲットの方々にも問題の本質が分かりやすいはずであるし、一定程度の年齢になれば、これが何を意味しているかも分かるはずであるから。これは、これまでのプリキュアではできない、スタプリでなければできない話だ。

1学年分の精神的成長差

えれなさんの家からの帰宅途中。2年のひかるは「えれなさんの家族、みんなほんとに太陽みたいだったね」と言い、同じく2年のララも「ルン」と同意する。そのシーンでの2人は何の曇りもなく楽しそうである。

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【図1】明暗分かれた顔の4人

http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/14/

しかし、3年のまどかは違う。明らかにテンション低い。「とうまくんは何か心配事でもあるのでしょうか」と和気藹々に見えるえれなの家にも悩み事があることを察知している。えれなが浮かないのは自分の家のことだからよく分かっているといえるが…いずれにせよ、2年生組には気づきえないことに3年生組は気づいている。それがちゃんとセリフと画で表現されている。これは学年関係なく、まどかは生徒会長をするだけあって周りの目配りができるということかもしれない。とにかく、同じプリキュアでチームを組んでいて、同じことを体験しても、各人で感じることは違うということ。そして、しはまだ未熟であることを描いている。このまま、互いに補完関係で行くのか、それとも各自がそれぞれの弱さを克服して互いに成長して行くのか。どちらもアリだと思うが、どう進むのか楽しみである。

今日の犯罪「強盗罪」

とんでもないことに気づいたのだが、キュアソレイユは、正義ヅラしているがかなりの悪党である。今回、テンジョウは、さそり座のプリンセススターカラーペンを拾ったと言っている。これはせいぜい遺失物横領罪(1年以下の懲役、または10万円以下の罰金もしくは科料)にしかならない。しかし、キュアソレイユは、これをテンジョウから暴力で奪い取った。遺失物横領罪の対象といえど、テンジョウが手にしている以上、テンジョウに占有はある。それをテンジョウの意に反して強奪したのだから、これはキュアソレイユに強盗罪(5年以上の有期懲役)が成立する。プリキュアが強盗罪ですよ、テンジョウの犯罪に比べて法定刑が断言重いことからも、罪の重さが分かる。これはあかん。