「スター☆トゥインクルプリキュア」の登場人物における男性高齢者率の高さが気になる。
登場している祖父世代
東映アニメーションのスタプリ公式ホームページのキャラクター紹介ページにおいて、祖父世代が、前作のハグプリでは、祖母は1話を使って登場したが、祖父はキャラクター紹介どころか登場さえしなかった(ただし祖母回で若かりし頃の祖父の姿は出てきた)。一方のスタプリでは番組開始早々から2人も登場している。遼じいこと天文台管理人の空見遼太郎とひかるの祖父星奈春吉だ。これは何を意味しているのであろうか。
【図1】星奈春吉
【図2】空見遼太郎
父親代わり
まず考えられるのは、第19話に至っても、ひかるの父が、存在がほのめかされるだけで、登場していないことが挙げられる。ひかるの学校以外の生活を描く際に、父親的アドバイスをする役目がいないために父親役を置いたのではないかということ。その際、父親の厳格さを春吉に、包容力を遼じいに割り当てて2人制にしたのではないかと。現にひかるは遼じいに安心感を得ているし、これはひかるに対してではなくララに対してであるが、遼じいは第6話で包容力を見せている。一方の春吉は、直接カミナリを落としたり、厳しいことを面と向かって言うということはないが、少し気難しいセリフを吐くことはしている。この役割分担は、まさにストーリー上、父親の代替をなしていると言える。
ハグプリとの対比
ハグプリが働くママを描き、その流れか働く祖母も描かれた。一方で、祖父については描かれなかった。スタプリにおいては、まどかの父は公務員としてプリキュアに絡んでくるし、ひかるの父は意図的に隠されているので、恐らくストーリー上、重要な役割を担うと思われる。このように、スタプリは父親にフォーカスを当てたストーリーになっていると考えられる。そうなると、ハグプリにおけるはなの祖母のように、いや、それ以上に、祖父はひかるの父親が登場していないことに対する何らかの役目を負わされていると言える。
祖父世代を出す現実的な見解
物語から離れた現実的事情としては、プリキュアの関連商品購入者中、祖父母は大きな割合を占める資本家であるはずである。東映アニメーションと手を組むバンダイナムコとしては、祖父母の財布を開けさせたいところである。それで、祖父母を登場させているのではないだろうか。