プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【スタプリ】第45話「輝くキラキラ星☆ひかるのイマジネーション!」


アバンタイトルは、雨がしとしと降る日、ベッドに一人寝転び「トゥインクルイマジネーション」とつぶやくひかる。その後、Aパートでも雨が降っている。

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【図1】迷いのない人間愛を持つ人の表情は強い

わたしさ いつも自分が楽しければ1人だって平気だった
うんでもね今は ララたちが みんながとっても気になるの
自分だけ進んでない 取り残されてるって思ったり…あせったり
なんか わたし おかしいんだよ…

これに対し、遼じいは、次のように答える。

友達と時には比較してしまうよ
時のうつろいとともにまわりはかわる
あせりやとまどいだってあるさ

ここで少しひかるは悟る。

雨はカッパードさんの好天

最初からずっと雨が降っていたのは、カッパードさんの登場の前フリだったのね。

人はかわる イマジネーションなどすぐゆがむ
それなのにお前は…「大すき」「キラやば」いつもいつもそればかり
そんなものは無力!終わりだ

これは、先の遼じいとのやりとりとの対比になっている。遼じいとのやりとりがなければ、ひかるは、カッパードのこの理屈に屈していただろう。しかし、ひかるはこの問題を克服していた。というより、克服しつつあったところに、カッパードがナイスタイミングでおさらい問題を出してくれたので、悟りを確実なものにした。

カッパードストライク

カッパードさんの技に名前があったのか!しかもプリキュア的な名前が。結構強い技だった。しかしこれは、ひかるが自分の課題を克服するための卒業問題にしかならなかった。素直なストライクボールすぎて、ひかるは易々と打ち返すことができた。

ひかるの葛藤

ひかるは、自分だけがトゥインクルイマジネーションを見つけられていないから、カッパードとの戦いにおいてキュアミルキー他のプリキュアが苦戦していると捉えていた。そこにミルキーが言う。

わたしらしくしてても ちゃんと理解し合えるって
ひかるが…教えてくれたルン!
ひかる…ひかるは…ひかるルン

ここでひかるは覚醒する。自分以外のプリキュアがトゥインクルイマジネーションを覚醒していても、その点だけをもってひけめを感じる必要はないと。そのようなことを気にせず、前向きになるべきだと。そして叫ぶ。

輝きはそれぞれちがうんだって…
わたしはわたし!輝いていたいんだ!

はい、トゥインクルイマジネーション発現!
カッパードさん、お疲れ様!しかし、それだけでは済まないのが、ピンクプリキュアという主人公の覚醒である。カッパード渾身のカッパードストライクを単なるパンチ技で一蹴した挙句、落ち着き払って次のように言う。

こわくない あなたのことが少し分かったから

こんなことをカッパード本人に面と向かって言う。これは、本当に相手より力が上回ったと実感できたから言えるのだろうけれど…言われた方は、もう、ひどい屈辱を感じるセリフだ。挑発しているとしか思えないセリフ。カッパードがキレるのも分かる。

とにかくひかるとララ、遼じいのセリフ全てが名言回

もう、これ、素晴らしすぎである。字幕付きで見て欲しい回である。

ひかるのトゥインクルイマジネーション

結局、ひかるのトゥインクルイマジネーションの発動に際しての、ひかるの葛藤は、ララたちとの差についてのものであり、他のプリキュアたちが皆、ひかるに出会う前から抱えていた悩み、問題を克服する過程で発動したというケースとは明らかに異なる。ララもえれなもまどかも家族関係で悩んでいたし、ユニは周りの人間が全て石にされたという状況での精神的克服であった。しかし、ひかるのそれは、単に友人との比較による劣等感に過ぎない。話中で、遼じいも言及していたが、自分は自分という生き方をしてきたひかるは、ララたちと出会う以前は友達らしい友達を持っていなかったといえる。このように、ある意味完全に自立した価値観を持って生きてきたきたひかるが、友情というものを自覚し、友人間の自分の比較、位置付けに悩む。思春期らしい悩みである。他のプリキュア達が家族関係の悩みでトゥインクルイマジネーションを発現させる中、ひかるは友達との悩みで発現させるのである。主人公だけ視点を変えたことの意味を考えると、スタプリの素晴らしさがわかる。思春期の自我の芽生えを様々なパターンで描きつつ、主人公は別扱いとする。しかも、シリーズ初期の各プリキュアの設定を無駄なく活かしながら。本当に設定の扱いが上手い。それなのに、この辺りを明確に分かるようには描かない。これがハグプリに比べスタプリが難解な点である。

叱咤しないダークネスト

キュアスターに敗れ、強制的に戻されたカッパードに対し、ダークネストは叱りつけたり責めたりするようなことはしないし、追い詰めることもしない。

お前のはげしいゆがみ…いきどおりをたぎらせるのだ!

と指示だけ言う。人心掌握術を身につけているな、ダークネスト…と、思ったら、その後、肉体的に苦痛を与えていた…やっぱダメな人ね。飴と鞭を使い分かるサイテーのヤツかもしれない。