プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】なぜ初代が現れたのか。追加プリキュア故の甘え


第22話「ふたりの愛の歌!届け!ツインラブギター!」にて、初代、「ふたりはプリキュア」の2人が空から降って来る。舞い降りるではなく文字通り降って来た。ハグプリ世界に降って来た"ふたり"は、往年のポーズを決めて登場するが、何故ここに召喚されたかは知らない。影の?実力者に踊らされるプリキュアの悲哀がカッコいいポーズの中に隠されている。

まあ、厳密には第21話ラストに降って来るのだけれど、話が動くのが第22話。これ、なぜ降ってきたのか。もちろん、商業的には映画のプロモーション、プリキュア25周年といったストーリー外の要素が大きい。しかし、物語としてその必然性はあるのかを考察する。結論から言うと、必然性は十分あった。

降ってきたきっかけ

まず、2人が降ってきたきっかけは、何だったか。第21話ラスト直前、オシマイダーとの戦いにおいて、マシェリが自分の愛用ギターよりアムールを守ることを優先したため、ギターは壊れた。これに対し、マシェリはどうしたかというと、先輩プリキュアであるエールに、

もうギターはありません。でも、わたしたちにメロディソードがあれば、またピンチの時にアムールを守れます!とにかくください

とはなたち初期メンバーの有するメロデイソードを渡せと迫るのである。なんたる酷い話。なんでも欲しいものが手に入る金持ちお嬢ちゃんの発想じゃないか。えみるは普段から、お金があればなんでもできる、なんでもなれる、なんでも手に入るという生活してるんだろうね。羨まし。
まあ、はなとしてもくれと言われてハイハイ渡せるわけもなくて、

いやあ、でもあれ、私たちのだしなぁ

と当惑した回答をする。ほまれが、ハリーに、なんとかしろよ的に促すと、ハリーは、

急に言われても困るがな

と答える。ちょっとまて、その回答は急でなければ困らないという意味にも取れるぞ。はなの時は、オシマイダー化したチャラリートと対峙したはなを試すようにメロディソードが出ていたけれど、それ、お前らが出すタイミングコントロールしてたと言うのか?そうだとすると、これはとんだ茶番でひどい話だと思うよ。

降らせた意図

とにかく安易にメロデイソードをくれというやり取りを見ていたはぐたんは、えみるの非常識さに、プリキュアにさせたのは間違いだったかと不安がよぎり、"こいつ懲らしめたらなあかん"となって、"あらよっと〜"と召喚したのが、初代プリキュアの2人というわけ。では、なぜキュアブラックとホワイトが必要だったのか。
まあ、えみるとルールーがお互いを思うあまり喧嘩してしまうというのが、作中でも少し触れられる伝説の仲違い回(「ふたりはプリキュア」第8話)のオマージュというのもあるのだろうけど、それ以上に、"最初からアイテムに頼ろうとするえみるの姿勢をただす"というのが、はぐたんの意図だったのではないだろうか。
戦歴が違う先輩のメロデイソードを簡単にくださいと言ってしまうえみるの、性根を叩き直すために、アイテムを使わない初代を連れてきたと。えみるは、はなを含めた3人の初期メンバーをプリキュアの先輩として一応敬っているので、初代という、プリキュア界の大御所を連れてくることで、えみるの性根を有無を言わせず叩き直そうという強い意思がうかがわれる。

しかし結局アイテム渡してしまう甘さ

しかし結局、この22話の中でツインラブギターという武器を手に入れちゃうんだよね…。ん?武器?武器なのか、あれ。ツインラブギター…楽器じゃん。いや、それならはなたちのメロデイソードも同じだろと言いたいが、はなたちのは、名称から分かる通り、戦うためのアイテムなのよ。マシェリ、ルールーのは名称の最後が"ギター"であるが、はなたちのは"ソード"つまり剣であるから。メロデイソードは、最初、見るからに普通の剣として登場して、エールに「違うよ!」とダメ出しされたので急遽楽器の体に焼き直したものであり、出自からしても攻撃用アイテム。そもそも、タクトとフルートはともかく、あの棒が、ハープは無いわ。
一方のツインラブギターには、単なる楽器の名前しかついてない。そこに武器らしさはない。楽器そのものの名前だ。まあ、それぞれのギターに"マシェリバズーカ"、"ルールーアロー"と攻撃的識別名が付いているのだが、ミュージシャンが愛用の楽器に名前つけるなんてよくあることだからね。THE ALFEEの高見沢俊彦氏のギターにも"サーベル1号"、"マシンガン"とかおよそギターの名前とは思えない名前のギターが沢山あるからね。
つまり、はなたちのは、楽器機能のある攻撃アイテム。
ツインラブギターは、攻撃アイテム機能のある楽器。
これ、多分プリキュアアイテムの供給側が懲りたんだと思う。エールに、プリキュア史上稀に見る武器っぽさのある伝説の剣を出してあげたのに、こんなもん必要じゃないとダメ出しされたからね。そして、そのダメ出しに一理あるとアイテム供給側も納得したのだろう。だから次のアイテムは、武器らしさを極力消したということ。

この騒動の黒幕

で、このような武器の形状、名称に関する一連の微調整ができるアイテム供給側とは、誰なのかということになる。いるよね、1人(もしくは1人と1匹)。プリキュアの戦いの近くにいてアイテム供給タイミングはかれるヤツが。しかも、アイテムを求める新米プリキュアに、素手で戦う重要さを教えるための指導員として初代プリキュアという全プリキュアの中でもエース級の2人を送り込むことの出来るとんでもない実力者が。そして、用が済んだらすぐまた2人を送り返す非礼さえも許される実力者が。
まあ、そういうことね。はぐたんは、プリキュア界きっての実力者なのか?(普通、こういうのは"影の"って付くものだけれど、こいつは違う。堂々と表でやってる)
ここで、マシェリがアイテムをくれとエールに迫ったのを見て、なんとかしろとほまれがハリーに迫った時の回答、『急に言われても困るがな』が引っかかる。この回答は、"伝説の剣は、攻撃用アイテムとして予め用意してあったから渡せた"というようにも取れる。しかも出すタイミングをはかっていて、いざ出してみたら、ダメ出しされたので、急遽その場で攻撃用アイテムから楽器に作り直したと。つまり、作成にはある程度の準備期間が必要ということと、作り直しはその場ですぐできるということだ。だから、次の戦闘でマシェリとアムールにツインラブギターが供給されたのである。ただし、この考えだと、はなたちの新アイテム登場時に、ハリーが驚いていたことと整合性が取れない。予め知っていたのなら驚かないはずである。このあたり、どんなアイテムを出すか等の詳細ははぐたんしか知らず、ハリーは、アイテムを供給するという状況を知っているだけなのかもしれない。だから、アイテムが出てくることは知っていたが、まさか伝説級のアイテムが出てくるとは思わなかったと解釈すれば、おかしくはない。しかし、そうだとすると、やはりはぐたんの実力者ぶりがハンパないということになる。

えみるとルールーの扱い

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【図1】初代とハグプリが話し合うシーン。これを見ると分かるのが、初期メンバーと追加メンバーの扱い。結局、えみるとルールーは、プリキュアになったが、あくまで後輩であり、はな・さあや・ほまれとは格が違うことが如実に表れている。ここの描画はもう少し何とかならなかったのだろうか。このような後輩扱いが、敬語は使うが厚かましいスタンスを取るえみるの甘えを生んだとも言える。

【セリフ】「HUGっと!プリキュア」(©ABC-A・東映アニメーション)より引用

【図】東映アニメーション公式ページより引用

http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/22/