アニメ成分補完計画

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】野乃はなの不毛な試練〜わたしプリキュアもうできない!の真相


第10話ラストの、はながキュアエールに変身できない事態発生からの、はぐたん失神事件。これにより、第11話で、はなが、

『わたし、 プリキュアもうできない!』
『きっと、もっとプリキュアにピッタリな子が他にいるんだよ。はぐたんをきちっと守れる子が』

と発言するに至る。中二女子にとっては、もう受け止められないくらいの精神的ダメージと推察できる。

逃げることができるということ

しかし、ここではなが取った"逃げる"という選択。辛くても頑張ってまたプリキュアになれるのを目指そうではなく、できないと言ってそこから逃げること。これは、素晴らしい判断だと思う。このままでは自己責任の重圧に押しつぶされてしまうだろうから。そしてこれは、転校という手段でイジメからはなママが救ってくれた経験が生きている。
そして色々あって、はぐたんも無事意識を取り戻し、ほまれ、さあやの励ましもあり、無事キュアエールは復活し、同じように自己否定に陥るチャラリートを救いメデタシメデタシとなるのだが…

仕組まれたシナリオ

チョットマテ!この一連の試練、仕組まれてないか?
はぐたん失神事件のあった第10話「ありえな~い!ウエイトレスさんは大忙し!」のウエイトレス回を振り返ってみる。
ことは、ミライパッドが、ほまれとさあやはイメージカラーを取り込んだお揃いのウエイトレスの衣装に変身させたのに、はなだけ可愛くないタコ焼用法被を衣装として提供したところに始まる。法被姿で同級生にも会うことになるのだからどう見ても多感な中二女子には残酷。(しかし、"後の第25話で遠回しにはなに思いを表現するも、眼中にない感じで無視された" 阿万野くんは、この法被姿を見てグッときたのかもしれん。なんかその感覚、分からんでもないぞ)
ここではなは、メニューを全て頭に叩き込んださあやとスケート活かしたほまれの接客力にコンプレックスを抱く。そして、衣装のみならず、接客もうまくできないことも相まって自己肯定感を喪失する。確かに、さあやとほまれは、それぞれの能力を活かした特筆すべき接客力で業務遂行してるけどさあ、はなも、同じ衣装着てれば、それなりの接客できたと思うよ。で、それもこれもミライパッドが変な衣装にさせたことが原因と考えるしかない。そして精神的にかなり追い込まれつつも、オシマイダーが登場したら、ちゃんと駆けつけ、変身し…ようとするも、なんと、プリハートが機能せず変身できない事態が発生。はなにさらに追い討ちかけるのよ。でも、これ、単にプリハートが故障したか、何かの意思で稼働しないわけでしょ。
そしてダメ押しで、はなを守るためにはぐたんダウン。そりゃあ、はなの心に限界来るよ。

状況の整理

①ミライパッドにより供給された衣装が法被
②プリハートが機能しない
③はぐたん自ら無茶して失神
このトリプル攻撃ひどすぎる。よく考えてみて欲しい。そもそも、ミライパッドもプリハートも、はぐたんと密接な関係あるからね。 あと、はぐたんは未来から来てて、ミライパッドもプリハートも、異世界のものではなく、現代と同じ時間軸に存在するモノ、つまり魔法的なものでなく、科学技術に基づく製品だからね。

はなをこんな目にあわせた首謀者

何が言いたいかというと、ミライパッドではなだけ変な格好にさせたのも、プリハートが作動しないのも、遠隔操作で可能であるし、はぐたん失神も、単に失神してたふりをしていたのかもしれない。つまりこの3つの試練、全てはぐたん、もしくはハリーがコントロールできるものなのだ。
そうだとしたら最悪だよこいつら。はなを貶めるために何したんだ。下げて下げて下げて、少しだけ優しくしてって戦法だよね、コレ。悪党が新入りの手下を手懐けるのに使う典型的な卑怯な手じゃん。

はなもやられるだけではない

この11話にて、はなが再度プリキュアができるようになり、はぐたん側の思惑通りとなったのだが、はなも一筋縄ではいかない人物であった。はぐたん側がごほうびに与えてやったプリキュアの剣を、はなは拒否するのである。しかも必要なのは剣じゃないと全否定する。意識的か否かはともかく、はなも操り人形になる気はないのである。この辺りを1話の中に入れてくるところは本当に上手い。

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【図1】プリキュアの剣登場に"なんだこれ?"のキュアエール(※)

おわりに

このような狡猾さは、ミライクリスタル発現が想定通りとのたまうプレジデント・クライに通ずる気がするし、「魔法少女まどか☆マギカ」のキュゥべえをも想起してしまう。さすがに日曜日の朝から"まどか"的な展開はないと思うが。

【セリフ*】「HUGっと!プリキュア」(©ABC-A・東映アニメーション)より引用

【画像】

※:東映アニメーション公式ページより引用
図1 http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/11/