プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】第31話 エリちゃんは、はなを"ののたん"と呼べるほどの親友


いじめをテーマにしたこの回。プリキュアの主人公が、いじめを原因として転校してきたというかなり衝撃的な内容である。第23話「最大のピンチ!プレジデント・クライあらわる!」でほのめかされてはいたが、遂に詳細に言及してきた。間に2ヶ月挟んだことでメインターゲット層には第23話のほのめかしを忘れている子もいただろうから、新鮮な衝撃となった可能性がある。

タイトルにまたもやられる

第31話のタイトルは「時よ、すすめ!メモリアルキュアクロック誕生!」。またもや、タイトルにやられた。いや、タイトルの内容が間違ってるわけじゃないんだ、だけど、はなのアイデンティティに関わる重要な話を、こんなオモチャ販促用みたいなタイトルの中でやるとは!
学校の作文の時間に、タイトルの付け方の1つとして"一番言いたいことを切り出す"と習ったが、この回、一番言いたかったのは、メモリアルキュアクロックのオモチャ発売なのか。そうだよね。そりゃあ、そうか。そういう売上で、我々はこの充実したアニメを見ることができるわけだし、売り手側はまあ、しかたないか。そして、メインターゲットの方々にとっても、Aパートの"良い話"は、"なんだかちょっと怖い話"とか、"録画を再生して繰り返し観るときは飛ばしたい部分"になるのかもなぁ。それに、新商品発表がある回は、重要な回だと理解すれば、まあ、このタイトルでこの内容は納得か。というか、そう考えれば、ハグプリに限らず、これまでのプリキュア全てについて言えるか。

はな(ののたん)の転校理由

今話ではなが転校した理由がいじめであったことが確定した。エリちゃん…。結局逃げちゃったけれど、わざわざはなに謝るために会いに来るとは、かなり勇気がいったと思う。逃げることについては、既にはなが転校という方法で逃げているわけだし、今話のなかでも、否定的には扱われていない。はなについては、間違ったことをしていなければ、逃げれば良いとはなママが転校において積極的に動いたようだし。

エリちゃんとののたんの友達関係やり直し

これは、本当に良かった。何が良いって、エリちゃんそもそも積極的いじめ側の人間でなくて、エリちゃんも犠牲者なのだけれど、いじめ特有のターゲット絞り込んでやることにエリちゃんが耐えられなくて、消極的にいじめ側にいた人間だから、友達関係やり直すことできて良かった。
メイクルームで、はなは他のチア部メンバー(積極的にいじめた者たちを含む)と少し会話するのだけど、当たり障りのないやりとりしかしなくて、彼女たちにははなは涙もなければ感情的になることもない。つまり、はなは、いじめ側はエリちゃん除いて単なるモブにしか見てない(=許してない)。これが本当に良い。モブたちはそもそも気まずい雰囲気になったりも謝ろうともしなくて、いじめてたことも大したことないと思ってる感じが出てたのも話の構成的にうまいなぁと。はなのあしらいぶりが本当に良かった。
しかし、やはりこの回は、エリちゃんの勇気が光っている。エリちゃんが動かなければ、はなから再度打ち解けることはなかっただろうから。そして、最初エリちゃんが来た時のはなのリアクションと、その後のさあや、ほまれ、えみる、ルールーが即座に動いたことが本当に素晴らしい。はなは、この4人から大きなエールをもらったから、エリちゃんに会いに行くという勇気ある一歩を踏み出せた。
で、この友情復活に、やはり意図せず協力してしまうのがクライアス社というのも、お馴染みのパターンすぎて良い。第18話でルールーとえみるの友情にチャチャを入れたパップルに対し、はなが、

友情の邪魔をするな

と、かなり怒った顔で言っていたが、これは、エリちゃんという親友をモブたちに邪魔されたことを踏まえた発言だったのだろう。はなのことを"ののたん"と呼べるのはエリちゃんがはなの親友だった証。モブたちは単に"野乃"と呼んでいたからね。いやあ、あのセリフがここに繋がるのかと思うとちょっと震える。

いつスカウト受けたのか

いつのまにか、ルールーとえみるがアイドルになってるんだけど、これは何かフラグあった?こんなデカイフラグ見落とした記憶ないけど…

で、やはり緑色の問題が…

ジェロス付き人のタクミとジンジンの2人が持っていた強力な壺みたいなものの中身の色が…緑。ああ、緑色は完全に敵の色だったのね。虹の色からみて、ハグプリには緑が足りないと考えていたが、いくら不人気色だからといっても、ちょっとひどい仕打ちだなぁ。これまでのプリキュアの緑に挑戦するかのような、緑の敵カラー化。まあ、プリキュアの主人公カラーであるピンクの反対色だから、しかたない面はあるし、この反対色であるということを、メインターゲット層の方々が、無意識に理解していたから不人気色だったのだろうなぁ。"主人公の反対色=敵"とか、逆に"主人公の反対色=主人公と対等の魅力あるプリキュア"とか無意識にねさ理解していたのかもしれない。そういう意味で、これまでの緑は、パワー不足なのでイメージと合わず人気が出なかったというのであれば、分からないわけでもない。

それでも…ねぇ、敵カラーというのはね。

で、ミライクリスタル・ホワイト

さりげなく、はぐたんからミライクリスタル・ホワイト的な光出てたんだけど。あっさり描くなぁ。
メモリアルキュアクロックにも5人のプリキュアと同格、というか、はなと同格の場所にはぐたんの白が収まっていたし。時計は12進法だから、プリキュア+はぐたんで6人というのは収まりが良いというのはある。
あと、まあ、テレビの前の方々の多くが気づいたこのはぐたんがホワイト所有者ぽい事実(実際には普段はハリーが持ってる模様)を、プリキュア側の誰も言及せんのは何故なのだろう。何というか、意図的に1話分飛ばされてるような感覚。

ルールーの心がえみるを越えた回

唐突にエリちゃんに遭って動揺が続くはなについて、えみるはルールーに、

はな先輩が元気がないと調子が狂うのです。
昨日のはな先輩は、はな先輩らしくないのです。
©ABC-A・東映アニメーション

と言う。これに対し、ルールーが、

そうでしょうか。
心とは、晴れの日もあれば雨の日もある。日々移りゆく空の色のようなものだと私は感じます。

©ABC-A・東映アニメーション

と答えている。この人の心に対する達観した感じ。ルールーの心、人に追いついたのではないか?少なくとも、小学校6年生のえみるに対し心について説いているところから見て、小6以上の発達はしている。ルールーの心はどこまで成長するのか、いや、ルールーの心がヒトを越えたら、どうなるのか。わざわざ、心についてえみると語り合うシーンを入れてきたことから、これからもルールーの心の成長描写があることが想像できる。期待しかない。

色々あった

まあ、とにかく今回も色々あって、オモチャの販促開始回と言い切ってしまうことは決してできない回であった。

次回予告

タイトルは、
"これって魔法?ほまれは人魚のプリンセス!"。
またやってくれそうな予感のするタイトルだなぁ。メルヘン回と見せかけて何か衝撃的なことやってくるよ、これは。
あと、予告中のセリフの応酬で、

ハリー
よっしゃー!イケメンハリー王子に任せとき
ほまれ
王子様がネズミなわけないでしょう
ハリー
ネズミちゃうわぁ

©ABC-A・東映アニメーション

とやってる。文字にすると分かりづらいが、ハリーのこの恒例の芸、言い方のニュアンスが今までと違い、夫婦漫才の域に達してきた。いやぁ良いね、夫婦感。

友達ですか?と聞くえみる

エリちゃんが初めてコンタクトしてきた際、えみるがはなに、エリちゃんとの関係を友達ですか?と聞くところほんと良い。まあ、このセリフで気まずくなってしまってエリちゃん逃げるしはなはそれを追わないんだけど、友達がなかなか作れなかったえみるが、以前だったら、このようなことまで色々瞬時に考えて、言うことがなかったであろう言葉を、今の恵まれた友人関係の中にいたら、ふいに言ってしまったという感じがしたので。
えみる、本当に毎日楽しそうだからね。それ自体は良いことだと思う。あの場面、友達ですか?なんて普通の小学生なら言っちゃうよ。仕方ない。そもそもえみるは、ルールーと初めてあった時も、ルールーに自分たちは友達ですよねと確認したりと、友達の確認が好きな人なんだろう。