プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】クライアス社とまえむきあした社の類似点と相違点


ハグプリの敵であるクライアス社と、クライアス社から退職した者たちが立ち上げたまえむきあしたエージェンシーについての特徴を両社を比較して考えてみる。

クライアス社概要

ハグプリの敵である会社組織。遠い未来から現代にやってきてプリキュアを挑発している。本来業務は不明であるが、ルールーを我が社の製品と呼ぶことから、未来の世界では、アンドロイド製造、販売のいずれかもしくは両方を行なっている可能性はある。商社の可能性もある。現代においては専ら時間を止めることに注力しており、現代の時間を止めたならば、クライアス社が存在する未来自体が訪れないことになるので、経営理念である"ミライクリスタルの獲得と未来の消滅"は、前者はともかく後者は、未来から来た者が、現代の未来を消滅させるということになり、意味不明である。

まえむきあしたエージェンシー概要

クライアス社の元社員であるパップル、チャラリート、ダイガンで構成される芸能事務所。お祭りの屋台営業等、他業務も行なっている。クライアス社とまえむきあしたエージェンシーの両社は、組織的にどのような共通点、相違点があるのか考えてみる。

共通点

実際のところ、毎週のようにオフィスシーンのあるクライアス社とは異なり、まえむきあしたエージェンシーの活動の描写はあまりないので、共通点探しは難しいが、採用においてスカウトに熱心である点は共通している。クライアス社では、第33話「要注意!クライアス社の採用活動!?」でアンリに対しリストルがスカウトを仕掛けている。一方、まえむき側は、第24話「元気スプラッシュ!魅惑のナイトプール!」、第25話「夏祭りと花火とハリーのヒミツ」の2話にわたりえみるとルールーに対し芸能活動デビューのスカウトを仕掛けている。これは、AIが発達した未来では、仕事は個々の人材の能力に特化したもので、その人の専門性が重視されるからであろう。東映アニメーションのクライアス社HPには採用情報もあるのだが、これは現代向けのものであり、現代は未だAI等の科学技術が十分発達しておらず、未来と比較すると、人間にしかできない仕事のみでなく、未来ではAIが行っている事務的な仕事さえも人が行う必要があるから募集していると考えられる。しかしこれまで係長、課長、顧問が試みて全て失敗している発注業務を簡単な仕事と位置付けているので、組織として機能しているのかという疑念は残る。

相違点

組織としての成熟度はクライアス社のほうが上。スカウトを行う場合もクライアス社は、決裁を得た上で社員の1人が行うが、まえむきあしたは、2回とも3人揃ってスカウトに行っており合理性に欠ける。これは3人も行くことで交渉相手に対し誠意を見せていると考えることもできなくもないが、どちらかというと3人一緒に活動することが楽しいというサークル活動的なものを感じる。また、クライアス社は、大抵の攻撃が午後始まりで夕方には完了(午前中に準備して午後戦い定時退社するスケジュール)していることや、第19話で「悪役だって定時退社できる!」というエンドカードが見られることから分かる通り、労務管理はしっかりしているようである。一方のまえむきあしたは、ナイトプールの開催中や花火大会前にもスカウト活動を行っており、オンオフの区別はなさそうである。これもサークル的な組織運営ということで長所と言えなくもないが、組織としての成熟度を考えるとやはりクライアス社に劣るという評価は否めない。この特徴は芸能事務所という業務の性格に起因するものかもしれない。

とりあえずの結論

クライアス社はともかく、まえむきあしたは描写が少なく活動実態がつかめないので、未だ結論は出せないが、クライアス社の悪い点は反面教師としている一方で、せっかく同じ会社を辞めた者が集まって作った会社であるのに、良い所を踏襲していない点があるので、組織としてはどっちもどっちな印象である。まあしかし、いつ戦闘が起きても対応するという受け身の勤務時間で全員同時出動が基本という、両社の悪い点を取り入れた形となっているハグプリチームという組織もあるから、両社は最悪というわけではない。逆にハグプリチームは、まだ判断力に乏しい中学生の善意を利用した組織であり、危険な目に遭うこともあるので、かなりブラックな組織であると言える。確かに攻撃を仕掛ける側は万全の準備ができるけれど、受ける側はいつ来るかわからないので、常時臨戦態勢をとっていないといけないというのはある。また、クライアス社にはジョージ・クライ、まえむきあしたエージェンシーにはパップルと両社には組織のビジョンを持ったリーダーがいるが、ハグプリチームには、そのような者はおらず、組織としての体制は脆弱である。ハグプリは、"お仕事"もテーマの1つとされているので、この主人公側の労務環境・組織体制が敵側のそれらより劣悪・脆弱であるという設定は、何らかのメッセージが込められているのかもしれないが、単にプリキュアのフォーマットであるだけと考えた方が良いだろう。