プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】第34話 ことり全て分かってやってる説


野乃ことりさんも、さすがはなの妹だけあって曲者でした。

タイトルは平常運転

「名探偵ことり!お姉ちゃんを調査せよ!」ということで、安定のお気楽回っぽいタイトル。タイトルが余りにお気楽な時で内容がホロリと来る時は重要回というハグプリの法則によれば、今話は重要回だということになる。

ことりのプリキュア的潜在能力

そしてやはりことりはストーリー上の重要人物だということが判明した。プリキュアに覚醒してさえいない生身の人間がハンパない量のアスパワワを放出し、猛オシマイダーとジェロス両者が放出するトゲパワワを蹴散らし、さらには倒れた5人のプリキュアのアスパワワまで甦らせている。繰り返すが、生身の人間のままでこれらをやってるからね。ハグプリでは、これは覚醒後のえみるとルールーのみが成し得たこと(第24話「元気スプラッシュ!魅惑のナイトプール!」)。ほまれに至っては、プリハート紛失した際に、不安がりながら生身で立ち向かおうとしてハリーに止められたりしている(第16話「みんなのカリスマ!?ほまれ師匠はつらいよ」)。つまり、覚醒前かつ生身の人間でオシマイダーのトゲパワワを蹴散らすとか特別な人間でしか成し得ないはず。よく考えれば、はなの妹という血縁的には主人公に一番近い立場にあるので、はながプリキュアになれたのであれば、ことりも覚醒する資質は持っているはずである。ことり、プリキュアになるのかなぁ。しかしそもそも枠があるのかなぁ。あ、プリハートは分割可能なので、姉妹枠としてはなのやつを分ければ良いのか。ならば来るぞ、ことりの覚醒!

探偵活動の着手理由

"自分の姉が現れるところプリキュアが現れる"という事実からの帰結として、自分の姉がプリキュアにご迷惑を掛けているのではないかという推察が理由か。なるほど。他人に迷惑をかけないようにということをしっかり教育されているのだな野乃家。さすがだ。だから姉がプリキュアに迷惑をかけていないか確かめるために探偵活動をするというのは確かに理にかなっている。しかし、残念ながら発生事象(自分の姉が現れるところプリキュアが現れる)は正しく捉えられているが、因果関係の仮説設定に失敗している。つまり、本来は自分の姉がプリキュアであるとすべきところ、自分の姉がプリキュアにご迷惑を掛けていると誤ってしまった。

勘の良い先輩方

ストーリーが始まって早い段階で、ルールーとえみるは、小鳥の様子がおかしいことに気づく。ルールーはデータアナリストとしてこれまでのことりの行動データから、えみるはリスクマネジメントスペシャリストとして、何かことりの行動にリスクを見出したのだろう。それぞれことりがいつもと違うことに気づくのはさすがである。この辺り、さあややほまれとは異なりルールーとえみるは、プリキュアとしての戦闘以外の実務上の能力を有していることが再認識できるエピソードである。プリキュアになりたくてなっただけのことはある。

ジェロスの弱さ

単にチヤホヤされたいだけの人だったか。こういう人は確かに挫折するとめんどくさそう。いや、パップルさんに対して自らが取っていた態度からは考えられない落ち込みっぷり。そもそもあの自信はどこから来ていたのだと思うほどに落ち込んでいる。このシーンに一切ジョージ・クライが出てこないところもパップルさんの時と似ているので、ジュロスのオシマイダー化は近い。しかしパップルさんとジュロスの2人は人に好かれたいという気持ちが砕かれた点では共通するが、パップルさんはジョージという特定の1人に対してだったけれど、ジュロスは八方美人という点で2人の考え方は大きく違う。こういうところにバリエーションつけてくるのがハグプリの良いところである。

キュアエールの正体に気づいた!

ことりは勘の良い子なのでキュアエールの正体になんとなく気づいたようだ。ラストで姉に直接確認しようとするも胸の内にしまうような描写が良かった。これまで筆頭モブ的な立場であったことりが、今話でプリキュアに次ぐポジションを得たのだろうか。そろそろハグプリは物語の佳境の第4クールに入るので、ことりとしてはこの辺りで確固たる地位を確立しておきたいところである。
そしてもう1つ、ことりは阿万野ひなせくんがはなを好きなことにも気づいたようだ。はな本人の気づかないことを妹は気づいた。ことりのプロフィールに"身長がそろそろはなを越えそう"とわざわざ書かれている。これはことりの方が思春期的心の成長が、はなより早いということだろう。はなが思春期的な思考で他者の行動や表情から心を読み取ることがまだうまくできないのは、前の学校でイジメられたエピソードからも分かる。思春期特有の他者と自分の比較からくるやっかみが理解できず、正論で友達のいじめをカッコ悪いと指摘して、逆にイジメられた過去がある。それだからこそ自己肯定ができなくて、自分が誰かに好かれることはないと心にバイアスをかけているのかもしれない。はなと阿万野くんの関係を良く見直すと、はなの心理的なことが色々分かりそうである。あと、最終話までにこの阿万野くんとのもどかしい関係にハッピー、バッドどちらでも良いので何らかの結末をちゃんと描いて欲しい。

実はことりは全て分かってるのではないか説

ここまでは、正統的に読んできたが、どうも腑に落ちない。なのでちょっと無理筋な読みをしてみる。これまで基本的に他の家族と共に登場し、あっさりとした関与しかしてこなかったことりが、今話ではトゲパワワ蹴散らしまで披露している。これ、ことりは姉のこと全て分かった上でやってたとしたら、どうなるのだろう。多少は矛盾があるかもしれないがストーリー成立するのではないだろうか。もしこれが成立する場合、はぐたんは実はことりの子とかそういう展開まで予想できる…ということで、ことりには頑張ってもらいたい。