プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】ビシンとは誰なのか


クライアス社で凶悪さゆえに幽閉されていたはずのビシンは、その後、なぜか自由気ままに未来と現代を行き来している。このこと自体少し不思議な気がするが、彼は一体どんな人物なのだろうか。

ビシンの肩書

ビシンのクライアス社における肩書は、クライアス社カスタマースペシャリストである。普段の業務は描かれていないし、プリキュアのいる現代に来るのも、他の社員のようにオシマイダーを出して暴れさせるのが目的ではなく、あくまでハリーを連れ戻すためにしか来ておらず、オシマイダー出すのも、プリキュアと対峙するためではなくハリーとの関係で出している。

f:id:cure_researcher:20181126065150j:image

【図1】とはいえほまれとは恋のライバルなので個人的感情から戦う。このあたり精神的にまだ幼くて公私の区別がまだつかない(※)

忘れがちな初期設定

そもそもビシンは初登場時幽閉されていた。これをリストルが解き放ったことにより活動することが可能になったのである。つまり、今でこそ本社のカスタマースペシャリストの肩書を有するが、それまではクライアス社に対して何ら業務を行っていなかったと思われるのである。もしくは幽閉されてカスタマースペシャリストの仕事をしていたとかいうことになるが、それはまずあり得ない。この幽閉状態は、現代に来る前のハリーとも共通する環境と思われる。ハリーはキュアクリスタル・ホワイトを有するプリキュアにより、幽閉から解放され、その後現代にやって来たと思われる描写があり、幽閉という点で、ハリーとビシンは共通している。ビシンがハリーを連れ戻すこと、つまり一緒にいることに執着するのは、同じ何らかの理由により2人がクライアス社内に幽閉されていた同志だからと考えれば理解できる。

ビシンに対するハリーの冷淡さ

ただ、理解が難しいのは、ビシンのハリーへの異常なまでの執着に対し、ハリーからはビシンへの思いが見られないことである。冷たく突き放すような態度は、キュアクリスタル・ホワイトを有するプリキュアが、幽閉された彼らを解放しに来た際に、ハリーはプリキュア側、ビシンはクライアス社側についたということに由来すると思われる。しかし、それにしてもハリーのビシンへの態度は冷たい。もし、元々は同士であったのであれば、再度仲間に戻れとアプローチしてくる者に対して、逆にこちらに来いとなぜ言わないのだろうか。ハリーが信念を持ってプリキュア側に寝返ったと言うのであれば、ビシンも説得してプリキュア側にさせるということをしても良いではないかと考えられなくもないのに一切そうしない。

ビシンを味方につけようと何故しないのか

ビシンの戻れということをただひたすら拒否するのみである。なぜそうなるのか。ビシンの性格上翻意させることは無理と知っているからということも考えられる。また、自分がプリキュア側に寝返ることができたのもキュアクリスタル・ホワイトを有するプリキュアの力があってこそで、彼女がいなければ寝返りをさせることは無理だと考えていらとも考えられる。更に、ビシンのことを気にはしているが、まずはクライアス社を止めることが第一であり、そのためには直情的というか、人の意見を聞かず独りよがりな論理でものごとを進めるビシンは、周りにいない方が良いと判断したのかもしれない。この辺りの事情は、ストーリー上ラスト近くに来ると思われるビシンとハリーのわだかまりが解ける感動シーンには要素としてなくとも感動描写できると思われるので、なぜクライアス社と対峙している時にハリーがビシンを遠ざけたかの理由が明かされる可能性は低いと思われる。

カスタマースペシャリストとは何する仕事なのか

あまりストーリー上の本筋とは関係ないが、ビシンのカスタマースペシャリストという肩書きは何なのだろうか。クライアス社の製品は、ルールーしか知らないが、ルールーのカスタマーといえば、現在はプリキュア達ではないか。え?プリキュア対応のスペシャリストということ。普通カスタマースペシャリストの仕事は、顧客満足度向上や顧客からアプローチされた時の対応なんだけど、ビシンがやってるのは真逆であり、顧客であるプリキュア達に、嫌がらせ不利益なことを目一杯浴びせている。ただし、他のクライアス社員がオシマイダーを出すのはミライクリスタルを奪うことが目的なのに対し、カスタマースペシャリストであるビシンは、あくまでプリキュア達を倒すことに注意が向いていることは留意して良いと思われる。ビシンは、まあ、プリキュアというよりハリーとの関係にしか興味がないが、その興味ゆえにプリキュアを倒すことに意義を見出している。しかし、ミライクリスタルの奪取には全く興味を示していない。これが他のクライアス社員との違いである。

※:東映アニメーション公式ページより引用
図1 http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/32/