プリキュアを読む

感想やまとめとは違う分析的なもの

【ハグプリ】第43話「輝く星の恋心。ほまれのスタート。」


プリキュアの告白をフルということを正面から描くとは!これは、ほまれには悪いが、大人には感動ものである。まあ、ここまでの描かれ方からみて想定の範囲内ではあったのだが。このハリーの振り方が、誠実でありかつ純粋な心の持ち主であることが溢れ出てくるものであったため、ほまれは、その恋に終止符を打つことができただけでなく、更にそれをスケートの演技力に繋げることができた。ハリーはオトナだ。最後のほまれ回に相応しい内容であった。

アバンタイトルは呼吸音のみ

ほまれの息づかい以外の音がない!セリフも、効果音も!アバンタイトルにこういうの持ってくるのは、期待感を持たせるという点で非常に良いと思われるが、メインターゲットの方々にはどう映るのだろうか。

"私にフレフレして!" by ほまれ

第4話、最初のほまれ回ではなのフレフレに対して、やめてと言ったほまれが、この第43話、最後のほまれ回で、はなにフレフレを要求するのは洒落た構成である。しかもそれには、

今から私のハート100%マジ上げするから

と最上級のほまれの言葉が添えられている。応援は、誰でもできる応援から、それによりハートを上げることのできる応援もあるというのを示しているのである。この間にはなは何を得たのか。これが、最後のはな回というより、ハグプリのグランドフィナーレでこの辺りのはなの成長が描かれると思われる。

ほまれの告白シーン

アバンタイトルと同じく、ほまれとハリーの対面シーンで、ほまれが"好き"と言うまで効果音が一切ない。これも良い。
また、フラれた後、ほまれは手を広げるはなに飛び込むが、これは第11話で、はなが変身できなくて落ち込んでいた時に、さあやとはなが家の前に来てくれ、さあやは言葉を尽くして励まし、一方のほまれは、黙ってただ手を広げてはなを受け止めるというシーンがある。今話のほまれをはなが受け止めるシーンは、これと対になっている。しかも、どちらもはぐたん絡みで起きた事象である点もまた良い。

対になるエピソード

以上、最後のほまれ回は、これまでのはなとの関係において、対になるエピソードを2つ出している。エールを送ることの価値の相対性と、一方が辛い時にもう一方が黙って受け止めること。この意味で、最後のほまれ回に相応しい回である。

恋愛に疎い者たち

ほまれの告白シーンをお膳立てした、はな、ほまれ、えみる、ルールー。この内、えみるとルールーは告白シーンを応援の名目で覗き見ようとしている。これに対し、はなは「はいはい」と言い、さあやは「じゃましなーい」と言い、ふたりを覗き見から退かせる。これ、要は恋というものを、えみるとルールーは未だ理解できていないということだろう。ルールーはよく分からないが、えみるは純粋にほまれを応援しようという気持ちから覗き見しようとしているようであり、恋愛の機微が全く分かっていない。このあたりは親友と言えども秘するべきものであるという理解がない。はなは、身長は妹に追いつかれようとしているみたいで、成長期は未到来のようだが、幼いように見えて恋愛の難しさについて分かっている点で、えみるとルールーよりは精神的にお姉さんということが分かる。ただし、それでも恋に悩む心の深い部分は手に負えないのか、ほまれの心のケアは、さあやが行なっていた。

メインターゲット層への配慮がない

ただし、えみるやルールーよりも更に恋愛について分かっていないメインターゲット層の方々には、この状況は理解できるのだろうか。この層はプリンセスとか大好きな方々のはずである。確かにシンデレラでも、王子様と結ばれるのは一人だけで、ほかの花嫁候補は全て蹴落とされるのであるが、しかしメインターゲット層の方々は、誰もがシンデレラのことしか考えていないはずである。シンデレラに蹴落とされた姫たちの気持ちについては、恐らく全く気づいてないであろう。ほまれの告白を正面から描くことは、大人には歓迎されるかもしれないが、メインターゲット層には、シンデレラにおける蹴落とされた側の気持ちを見せられることになるので、単に混乱というか、理解されない不要なシーンになるなのではないだろうか。まあ、それでも不幸な結末ではなく、これでもかなりハッピーエンドではあるのだが、それでもやはりメインターゲット層の方々には衝撃的だろう。

タイトルについて

「輝く星の恋心。ほまれのスタート。」というタイトルの「。」。これはやはり気持ちの一区切りという意味であった。"輝く星"がそもままエトワールを意味するから、前文は、輝木ほまれの恋の終わりを意味する。後文は、ほまれが(改めて)スタートを切ったという完了形の意味だろう。名は体を表す、というかバレバレのタイトルであった。前回第42話での先の読めないストーリー展開の後であるが、こちらは安心して観ることができた。輝木ほまれのラストメイン回で、しかもハリーにフラれるという回で、予想もつかない展開であったらたまらないので、これは良い進行であった。

ジョージ・クライへのはなのスタンス

はなは、ジョージ・クライをフルネームで呼び、かなり強い口調でクライに、

もうわかったでしょ、時間を止めるなんてやめて

と言う。第11話で、えみるの兄がえみるを束縛しようとした際に、

人の心をしばるな

と言ったのもそうだが、はなは、自分の正義感に反することをする者に対しては、しっかり反論できる。これが自らへのイジメにつながったと思われるが、この性格は素晴らしい。ただし、これは、思春期前のまっすぐな正義感と異なるのか同じなのかはよく分からない。

ほまれママ回

この第43話は、ほまれママ回でもあり、また、ハグプリにおける2回目かつ最後のママ回シリーズの1人目である(ルールーの"生みの親"のドクター・トラウムと一瞬登場しただけのえみるママを入れれば3人目)。

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【図1】自分の経験をもとに恋することの難しさ良さを語るほまれママ。自ら寄り添う感じと柔らかい笑みに大きな優しさを感じる(※)

 

ほまれのワンチャン

ハリーはほまれをフル際、

俺も気持ちを伝えたいと思ってるやつがいる。それをうやむやにしたまま、お前の気持ちには答えられへん

と言っている。これは、状況次第では、ほまれにワンチャンあるということを示唆してはいる。まあ、言い方の問題もしくはハリーの優しさの話で、やはりフラれているというのが正しいのだろうけれど。

白い翼

これほどほまれが成長した回であるのに、白い翼が生えなかった。羽の生える基準が分からなくなった。ただしこれで、次回のさあやラスト回でも白い翼は出ないだろうなと推測される。これでもし出てきたら基準が更に分からなくなる。

(※)東映アニメーション公式ページより引用

http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/43/