ドクター・トラウムの名前は、ドイツ語の"traum"(夢)から来ていると第45話「みんなでHUGっと!メリークリスマス☆」にて本人の口から語られた。これについて考えてみる。
【図1】第23話で初登場時のドクター・トラウム。味方のはずのダイガンを瞬殺して登場するなどというトラウマもののインパクトを与えてくれた(※)
ハグプリにおける名前の由来
ハグプリの名前が何に由来するかについて、キュアエールの"エール"は、スペルは"yell"であり、英語の"エールを送る"に由来する。アンジュ、エトワール、マシェリ、アムールは、フランス語に由来する。
エールのみダブルミーニング
エールにはフランス語の"aile"の意味もあるので、そちらのスペルにしておけばハグプリにおけるプリキュアは全てフランス語だったと言えるのに何故わざわざ英語にしたのかという疑問は当初からあった。第42話「エールの交換!これが私の応援だ!!」でアンリの口からエールにはフランス語の"aile"もあるということが語られており、キュアエールは、敢えて英語にしておき、後で小話的にフランス語を織り交ぜるつもりだったのだろう。
ハグプリチームは全てフランス語の意味を持つことである。アンジュは天使、エトワールは星、マシェリは愛しい人、アムールは愛。そしてエールの翼。これは、エールには敢えて翼の意味を隠そうとしたのであろう。
クライアス社はダジャレ系ネーミング
一方でクライアス社の名前はダジャレ。チャラリートは、チャラチャラしたサラリーマン、エリート辺りの合成語。パップルは、バブル。ダイガンは、団塊の世代。ジェロスはロスジェネ。ビシンはハクビシン。リストルは動物のリスとリストラ?。
"トラウム"という名前
以上のように、ダジャレ的に元々の語を変化させたものであったので、ドクター・トラウムも精神攻撃を行うため、トラウマから来ていると考えられたが、あっさり違うことがわかった。単にドイツ語のtraum(夢)だったとわかった。これは、エールが英語のエールかと思ったら、フランス語の翼だったというのと同じパターンである。しかも、登場人物の中で最年長であるにも関わらず、夢という名を与えられていることが、何かしらハグプリの思想を感じる。
"愛"と"夢"
ルールー・アムールの"愛"という名と合わせて、2人で"愛"と"夢"という人が生きていくための精神的拠り所となる2つの名詞が、光堕ちした2人の名前にあることは、"何でもできる、何でもなれる"を標榜するハグプリを象徴するものである。
(※)東映アニメーション公式ページより引用
図1 http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/23/