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感想やまとめとは違う分析的なもの

【けものフレンズ2】第9話「おうちにおかえり」


思わせぶりなタイトルだった。まあ、このタイトルから、登場するのは犬のフレンズとは想定できたけれど。それよりも中身が…。登場人物がストーリーに動かされているとかいう次元ではなく、もう物語という体をなしてなくて、誰かがやってるロールプレイングゲームを見せられている感じというレベル。扱う素材もストーリーの展開も良いのに何で細かいところのツメが酷すぎるのか?

暗喩?

第9話は、1期からの視聴者がイエイヌ、キュルルがけもフレ2スタッフ、たつき監督が昔の飼い主という暗喩なのではないか。つまり、2期は1期とは別物なのだ。1期を引きずるな。心に折り合いつけて、現実を受容しなよ…というメッセージにみえる。しかし「キュルルはイエイヌの飼い主ではないのだ」というのを暗喩として突き詰めると、「けもフレ2スタッフは、1期からの視聴者の面倒を見るつもりはないぞ」というメッセージになってしまう。そして、イエイヌはキュルルを守ろうとして、けもフレでは過去見たことのないようなダメージを負う。しかしキュルルは手当もせず明るく去っていく。これは2期が何かおかしいと思いつつも、けもフレだからとついてきた視聴者をけもフレ2スタッフがあざ笑っているように見えてしまう…さすがにこれはないか。しかし、そうでもなければイエイヌをあれほど傷つける必要はないのではないかとも思える。

イエイヌを連れていくこと

とにかくうがって見てしまいがちなけもフレ2である。しかしその先入観はおいておいて、キュルルが、自分を守るために傷ついたイエイヌに労りの言葉がないのは言語道断としても、選択肢として一緒に旅をすることを提示しなかったことは良くなかったのだろうか。旅は危険である。自分の身はまず自分で守るべきである。その前提に立つと、とにかく飼い主優先で行動するイエイヌは、キュルルにとって負担になる可能性は高い。また、これまで、ブランコ、すべり台、パズルといった遊びを提示する側であったキュルルが、この第9話では、フリスビーやティータイム等、イエイヌから遊びを提案されている。これは、それだけイエイヌと元の飼い主との暮らしが長かったこと、思いが強いことが表れているとも言える。だからこそ、もう戻らないかもしれないが元の飼い主を待つという選択肢しかイエイヌには無いとキュルルは察した可能性はある。
以上から、キュルルは旅の同行を提示しなかったとも考えられる。ただし、その際も、労わりの気持ちを見せる必要はあった。ヒトなのだから。

遊びを提案される側であったこと

これまで遊びを提示する側であったキュルルが、遊びを提案される側であったことの意味は何だろうか。イエイヌがキュルルより知能が高いというわけでは無い。イエイヌは単に元の飼い主から教わったことを繰り返しているだけだから。そうではなく、これまではスケッチブック、モノレールをはじめとして文明の痕跡を見てきたが、そこには人の影は見えなかった。木や石がそこにあるようにスケッチブックやモノレールはそこにあっただけだ。しかし、イエイヌのフリスビーやティータイムには、ヒトの行為が見え隠れする。キュルルと似た環境にあるかばんちゃんはおいておくとして、キュルル以外のヒトの存在を認識できた最初のエピソードがこの回なのである。思わせぶりな宇宙ステーションらしきものの描写もあった。だからこの回は、けもフレに主人公以外のヒトが登場するクライマックスへの導入回という重要な回なのである。

移動経路

この第9話において周りの状況は、"さばんなちほー"のようだ。スタート地点だよね。おうちはここにあるのか?スケッチブック頼りとはいえ、パーク内の移動経路が分からん。地図を持って目的地を定めていた1期と違って目指す場所がどこなのかを探す旅だからしかたないのか。それにしても海辺行ったり竹林行ったりしてたと思うが、なぜに振り出しの"さばんなちほー"に戻っているのか。

サーバルちゃんの眼光

アムールトラビーストと対峙した際に、サーバルちゃんの眼が黄金色に光ったが、これ、凄い!と軽はずみに喜べない。第6話「あたらしいあさ」において、サーバルちゃんにかばんさんの記憶がほぼ無かったり、かばんさんが少し悲しい目でサーバルちゃんを見送ったりしたことと合わせれば、サーバルちゃんが1期でセルリアンに取り込まれたことの後遺症の可能性がある。時が進んでサーバルちゃんがビースト化する展開が見えてしまう。それが2期のラストかもしれない。そうなるとキュルルのおうち探しは3期が必要になる。

かばんさん=フレンズの再確認

今話でのセリフに次のようなものがあった。
イエイヌ「あなたがヒトであることは間違いないですから」
オオアルマジロ「あの子は違うんだってさ」(ヒトであれば、かばんさんがいるとの指摘に対し)
これで、かばんさんはヒトではないことが分かった。というか、そもそも髪の毛から生まれたフレンズというのは1期で既に書かれていたのでかばんさんはヒトではなくヒトのフレンズだったね。いや、そうではなく、分かったのは、これで、キュルルがヒトのフレンズではなく、ヒトであるということだ。

あの方を怒らせると怖い

結局、イエイヌは真顔でビーストに向かうことはしたが、怒ることはなく、ただただけなげ。

第9話タイトル

「おうちにおかえり」は、タイトルだけみたらキュルルの帰宅に思えるのだが、そうではなく、第9話終了時点において、イエイヌに、「家に帰れ!」と命令していることを指しているのね。まあ、イエイヌの希望だから仕方ないが、なんとかならなかったのかな。イエイヌは家に帰るといっても誰も居ない家だからね。どうせあと話数も少ないから、仲間に入れてあげれば良いとさえ思ったが…で、考え直したのだが、最初にキュルルの帰宅ではなくと書いたのは間違いで、イエイヌは今まで一人で守ってきた家を留守にできない、キュルルは自分の家を探し帰りたいという両者のそれぞれの家に帰るという思いがあって、イエイヌはキュルルに、キュルルはイエイヌに、対等の立場でタイトルの「おうちにおかえり」と言ったと解釈すれば、やさしい世界が多少取り戻せるのではと思った。キュルルはイエイヌの家で暮らすことはできないし、イエイヌはキュルルとともに旅することはできないから。しかし、泥だらけ傷だらけになったイエイヌをそのまま一人で帰したのはやはり良くないと思うよ、キュルルさん。

第10話タイトル

今話が「おうちにおかえり」で、次回第10話は「ちぇっくいん」と、おうち探しがテーマの「けものフレンズ2」は佳境に入ったからか、おうち系フレーズがタイトルに入っている。しかしチェックインはどちらかというとホテルで使われる言葉で、何か第9話のイエイヌの建物で既にホテル感あったけど…またホテルかってなった。
ただし、第9話で月が出てくるシーンがあり、ここに肉眼で見えるレベルの宇宙ステーション?のようなものが写っていた。ヒトは皆、彼ら宇宙ステーションに移住して誰も地球にいないということならば、このチェックインは、宇宙ロケットのチェックイン作業ということかもしれない。唐突すぎるが。

とにかく、第4話「いろんなおうち」で、"おうち"という重要キーワード出しながらのあのような肩透かし展開見せてくれたから、「チェックイン」と言ってもあまり期待できないが、ラストに向けキュルルの探すおうちに一歩近づいて欲しい。