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ヒーリングっどプリキュアいま分かること


「スター☆トゥインクルプリキュア」の次のプリキュア、つまり2020年2月開始の第17シリーズプリキュアのタイトルは、「ヒーリングっど♡プリキュア」(Healin' Good ♡ Precure)である。明かされているのはタイトルロゴといくつかの文字情報のみであるが、その限られた情報から分かることを考察する。

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申請されているタイトルロゴ

タイトルロゴは、東映アニメーションの公式リンクから確認できる。

ダジャレというか誤読を促すもの

「ヒーリングっど(Healin' Good)」は、「フィーリングッド(Feelin' Good)」を思い起こさせるためのダジャレである。この誤読を引き起こすタイトルは意図的なものである。

タイトルがフィーリングッドつまり、良い気持ちと間違えそうな言葉を用いていることと、タイトルロゴに葉っぱが多用されていることから、ちょっと危ない方向を想像してしまう。しかし、このご時勢、流石に葉っぱで良い気持ちになるというのはダメである。しかし、敢えてこのフィーリングっどプリキュアは、このタブーを果敢に攻めてくるのか否か。期待が高まる。

Healin' Good

 "Healin' Good"という句は、傷や病に対して述べる文の中で、"His wound is healin' good.” (彼の傷は良い状態で治った)というようには使われることがある。しかし慣用句として特に"Healin' Good"というものはない。

誤読の過去の例

このような、誤読を引き起こしそうなタイトルは、過去のプリキュアシリーズにも見ることができる。第8シリーズの「スイートプリキュア♪」(SUITE PRECURE♪)では、「スイートプリキュア♪」(SWEET PRECURE♪)と誤読させるようになっている。こちらは、誤読と言っても、英語としても日本語としても同音異義語であり、意味とスペルが異なるケースである。英語表記を見ないと、SWEETが正しいと思ってしまうほどにスイートと言うカタカナ表記の言葉は、日本人にとって「甘い」という意味と結びつくのである。特にメインターゲットには、SUITEの方はなじみがない子がほとんどだろう。しかも英語のsuiteは、一揃い等の意味なので、英語タイトルの「SUITE PRECURE♪」は、和訳すると「プリキュア組♪」とか「プリキュア一行♪」等ということになり、ちょっとニチアサ的に相応しくないタイトルになったりする。
なお、「スイートプリキュア♪」のアイテムに「ヒーリングチェスト」という「ヒーリング」という言葉を使ったものがある。これは、偶然にしろ「スイートプリキュア♪」と「ヒーリングっど♡プリキュア」の間の繋がりを感じる。ヒーリングっどプリキュアにおいて、何らかの形で、スイート絡みの誤読が出てきたら、誤読タイトルの先輩シリーズへのオマージュとなるので、要チェックである。

また「ヒーリングっど♡プリキュア」は、「HUGっと!プリキュア」と似た語感のタイトルである。しかし、ハグプリの場合、あくまでHUGという単語に日本語の「っと」がくっついたということが英語とひらがなで区別して書くことで表現されている。しかしヒーリングっどプリキュアの場合、「ヒーリングッド」ではなく「ヒーリングっど」とカタカナとひらがなの混在となっている。しかし標準語の日本語に「っど」という言葉はない。英語タイトルにある通り「っど」の部分も「Healin' Good」と英語なのである。この表記は、言語的整合性よりも、プリキュア内の整合性を取って、2作前のハグプリの表現に似せたという解釈で良いのではないだろうか。

タイトルロゴから読み取れるもの

タイトルロゴ。これがなかなか情報の宝庫であり、ここから次のプリキュアに関して読み取れるものは多い。以下に詳しく見ていく。

タイトル

まず、第17シリーズの新しいプリキュアのタイトルが分かる。まあ、それは当然なのだけれど、略称は何になるのだろうか。例えば「スター☆トゥインクルプリキュア」なら「スタプリ」、「HUGっと!プリキュア」なら「ハグプリ」のような略称が使われるようになったが、2020年度プリキュアである「ヒーリングっど♡プリキュア」は、単純には想像がつかない。これは「ヒープリ」とか「ヒグプリ」「ヒリプリ」といった単純でヒネリも可愛さもないものではなく、「俺ガイル」「CCさくら」のような天才的な略称を誰かが編み出すのを待つしかない。

テーマらしきもの

「ヒーリング」という言葉から、癒やしがテーマであることが分かる。しかし、プリキュアはこれまでずっと戦う相手を倒すのではなく癒してきた。つまり、癒しはそもそもプリキュアシリーズ全体に流れてきたものであり、個別テーマとして改めて取り上げることの意味が今の所分からない。主人公たちは必ず義務教育期間中である中二設定なので、看護士養成学校や整体やマッサージ等の専門学校が舞台というのも考えられない。そもそもマッサージや医療は、直接体に触れる類のものなので、中学2年生では主体的に扱わせるのは無理である。そうなると、ヒーリングが指す癒しの内容は、アロマや音楽になるのか?アロマや音楽…しかし音楽はスイートでやってしまっているので、アロマか…宇宙妖精がアロマ店を開く展開か?タイトルロゴ中にも、ハート(=心)の形が散りばめられており、アロマによるリラックス効果で心を癒す…という設定は考えやすい。それはそれで何か怪しいし、メインターゲットである幼稚園、小学校低学年の子供に対し、アロマのリラックス効果を前提としたストーリー展開はちょっとやめた方が良いような気がする。子供達にとって、薬物のトリップ感の描写と区別がつかず、「ヒーリングっど♡プリキュア」で刷り込まれたアロマの良い印象が、将来、禁止薬物に手を出さないための心的障壁を下げる効果につながるのではないかと危惧するためである。まあでも、アロマ設定は便利であり、敵側が一般人の魂を吸い取り巨大怪物の核とするには、アロマの力は使いやすい設定であることは間違いない。

基本的にピンクと緑で構成されていること

タイトルロゴの色調は、ピンクとその反対色の緑をメインとなっている。ピンクはもちろんプリキュア主人公の色であり、メインで使われるのは理解できる。このため、緑の位置付けが気になる。これまで、特に最近は、緑はプリキュアとしてより敵側の色として扱われることが多かった。ただし、スタプリにおいては、敵側キャラが緑色のオーラを纏う等、やはり敵キャラの色として用いられていたが、プリキュアとしてではなく、ララがハロウィンで仮装したキャラであるミホッシーグリーンとしてではあるが、グリーンと名乗っている。これは緑プリキュア復権のサインとも取れる…そしてこのヒーリングっどプリキュアでプリキュアにおける緑         の完全復権となるならば、なかなか考えられた展開となるが、どうなるだろう。ピンクと緑は反対色であるということは、ストーリー的にも扱いやすいと考えられるので、是非ピンクと緑のペアプリキュアになってほしい。

謎のハートマーク

タイトルロゴの中にあるハートが、大ハートの上に小ハートが3つ…と、特徴的なデザインになっている。これが何を表すかは現状推測しようがない。妖精の指もしくは肉球の跡ともとれるが…そうだとした場合、指の数が異なるため犬猫モチーフではないということになる。しかしこれも、現実世界の犬猫ではなく、犬猫タイプの妖精の話であるから、指の数が3本でも良いとされるかもしれないし…そもそも指でないかもしれないし。

公式ページの文字情報からは、「パートナーは動物!?」「ヒーリングアニマルと力を合わせて」とあるので、犬猫ではない哺乳類系なのかもしれない。しかし、謎妖精ということで厳密な犬や猫ではない、犬猫タイプなだけだから指の本数はどうでも良いということで済まされるのかもしれませんが。

植物?

「グ」と「ど」の濁点の表現方法が、葉っぱのように見える。色も緑。癒し…植物イメージなのか?そうなると、ハーブアロマか。まあ、大人の発想だけれど、プリキュアの敵は、一般市民の何らかのネガティブな気持ちを使って怪物を生み出すのが常であるが、ハーブモチーフだとしたら、ここもハーブになるのか?正義のハーブ対非合法ハーブみたいな…これ、見てみたいけれど、ダメなやつだ。植物と考えると、謎のハートマークは4つの葉、つまり四葉のクローバーを意味する可能性。なぜ1つの葉っぱが大きいのかは不明なのだが。なお、「Yes!プリキュア5GoGo!」のタイトルロゴにはバラの枝と花があしらわれていたが、これは追加プリキュアを暗示していた。それ以外には明確に植物がモチーフとなるロゴはない。フレプリは、植物の茎と葉らしき形状のものが描かれているが色が赤い。また、スイートは、緑色の細い線が複数描かれているが、これは五線紙イメージである。

公開情報からは、ヒーリングアニマルと力を合わせるということなので、植物はメインではないのかもしれない。となると、プリキュア側は癒やし動物で、敵は違法植物系という生々しい設定が考えられるが…。敵の中ボスの名前が、モク&ヤク兄弟とか、イリガルハーブとかね。

ヒーリングっどプリキュアの装備品

「ヒーリングステッキ」という名称のものを使うようだ。ただし、その用途形状は不明。合わせて「エレメントボトル」というものも装備品にあるようだ。ボトルというのが、アロマのイメージに合致するので、まさに癒やしのプリキュアにふさわしい装備品となる。考察はこちら参照。

結論

当たり前ではあるが、明らかになったヒーリングっどプリキュアのタイトルロゴだけでは2020年の新プリキュアがどのようなものになるのかについて、はっきりとは分からない。商標登録は、番組宣伝のためのプレスリリースではなくて権利を守るためのものだから当たり前である。しかし多くの情報が含まれていた。さらなる情報が得られる次なる画像等の公開を待ちましょう。

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