なんだか分からないが、タイトルからしてとにかく賑やかで、かつ第4クールのカギを握りそうなものがたくさん出てきてお腹いっぱいの回。
タイトルからはシリアスかコメディか読み取れない。その意味で新しいパターン。特に「みんなでトゥモロー!」って、そもそもどういう意味なのだろうか。これまでハグプリは、シリアスな題材の回でもどこかほんわかしていていたが、今回は徹底的にシリアスであった。しかも白のプリキュアや女神であるマザーまで出てきて情報も多すぎ。これまで、タイトルがお気楽な回は内容はシリアス、タイトルがシリアスな回は内容はお気楽という逆張りと認識していたが、タイトルが中立な今回は、内容はシリアスということになった。しかしまだサンプルが少ないので、傾向分析まではまだできない。
未来に明日はない
もう未来の時間は止まっているはずなので、ハグプリ一行が飛ばされたのは、ハリーから見た懐かしい、時間のまだ止まっていない未来的世界。そこでは幼いビシンが体調不良で苦しんでいた。
【図1】明日のない幼きビシンと若きハリー、リストル(※)
それを、やや年長のハリーとリストルが心配して見ているシーン。これだけで未来どころか明日を信じられなくなるであろう3人の置かれた状況が 理解できる。だからこそのタイトルの「明日のために…!みんなでトゥモロー!」なのだろう。ここでの""みんな"は、プリキュアや現代に生きる人々のみならず、ハリハリ族を含む未来の人々全てを指すのだろう。時間軸的に未来の明日の心配をするという点が非常に秀逸である。遠い過去だろうが遠い未来だろうが人の生活は毎日続き、いつもその時代の人々は明日のために生きているのだというメッセージなのだろう。これは、ハグプリたちの常住観を象徴するもので、クライアス社の無常観を打ち破るメッセージとなっている。(参照:ハグプリにおける無常観と常住観の対立)
ルールー久々のデータアナリスト能力発揮
ルールーが、これは未来では無くクライアス社の新たな攻撃ではないかと分析したり、リストルに封じられた結界中のはぐたんのタンバリンの音の発生元である特異点の座標を特定したり、本来有するデータ分析力を久しぶりに駆使していた。えみるのリスクマネジメント能力もそろそろ見たいところだ。
キャラに合わせたセリフ
クライアス社の強大な力に絶望し、過去を悔やむハリーに対し、クライアス社から光堕ちしてプリキュアになったルールーに「ハリー、例えクライアス社に力を貸した過去があっても、未来は変わる」と言わせ、過去、自分の個性を抑えて生きてきて、ルールーの心獲得において多大な影響を与えたえみるに「大切なのは今のハリーの心なのです」と心について語らせた挙句、絶望から引き戻されたハリーに「奇跡は起きる、それをお前らが教えてくれた、フレフレ、プリキュア」と言わせ、本来、誰かを応援する側のプリキュアであるキュアエールに「その思い、受け止めた!」と応援を受けて戦おうという男前なセリフを言わせてまとめている。これらセリフは各キャラの背景に合わせられて発せられており畳み掛ける重みがある。
キュアエールの特別扱い
マザーハートの技を出す際の掛け声。キュアアムール「one for all」、キュアマシェリ「all for one」、キュアエトワール「we are」、キュアアンジュ「precure」、キュアエール「明日にエールを」、全員「go fight」、全員「みんなでtomorrow」と発声している。個々に叫ぶのは、キュアエールだけ日本語なのだが、これはなぜなのか。流石に必殺技繰り出す前のセリフなのでオチ担当だからという理由はないと思う。しかし、偶然というのも違うと思われる。少なくとも、キュアエールは特別であるからというのは理由の1つではあると考える。まあ、その程度の理由は理由とも言えないから読み取れていないということだけれど。ただし、この発声順はプリキュア覚醒の遅い者から行なっており、この辺りのランク付け?は、厳格である。
マザーの登場
オープニングで出てくる金色の女神が唐突に現れる。その名をマザーということは、リストルもプレジデント・クライも知っていたようであり、その存在は既知のものであったということになる。マザーの正体は別途考察すべきであるが、情報が少なすぎて現在はよく分からない。
※:東映アニメーション公式ページより引用
図1 http://www.toei-anim.co.jp/tv/precure/episode/summary/39/